第36回「メルセデス・ベンツA180スポーツ」&「メルセデス・ベンツCLA250 4MATIC」
2014.02.14 水野和敏的視点「A180」のエンジンに面白みはないが……
「メルセデス・ベンツA180スポーツ」(335万円)に乗って、まず「いいな!」と感じるのが、インストゥルメントパネルに使われる、カーボンデザインのソフトパッドの表皮。カーボンのように表面にはちゃんとザラザラ感があって、しかも指先で押すと柔らかい。Aクラスは、いわばメルセデス・ベンツのボトムレンジですが、それでも皆と同じように樹脂パネルでテカテカに飾るようなことはしなかった。そんなところに感心します。
反面、残念なのが、“後付け然”としたナビゲーションシステムのディスプレイ。液晶まわりのいかにもプラスチックの素材感が、全体の雰囲気を壊しています。
例えば、まわりのプラスチックをフェイシア表皮とコーディネートして、カーボン調処理をするなどの工夫がほしいですね……。
いざ走り始めると……。A180スポーツにはスポーツサスペンションがおごられるので、足がキビキビしています。ちょっと気になるのが、低速時におけるステアリングを切った瞬間の遊び。A180スポーツには、舵角(だかく)に応じてギア比を変える「ダイレクトステアリング」が装備されますが、操舵(そうだ)の際に取り付けブッシュの変形による“たわみ”が感じられます。
足まわりの硬さに合わせてステアリング系の剛性を上げるには、マウントのブッシュを変えてやればいい。それをあえてしなかったのは、あまりハードにすると、路面からのキックバックが強くなるのと、高速走行で過敏になるのを嫌ったためでしょう。
もっとも、ステアリングの遅れとサスペンションのアンマッチが気になるのは、20km/h以下の超低速域だけです。スピードが上がって、特に高速巡航に移ると適度にダルで疲れなくていい。そうした評価に変わります。
1.6リッター直噴ターボ(122ps、20.4kgm)については、フィール面では「可もなく不可もなし」。パワーは十分だけれど、面白みは、ない。
ところが、感心するんです。アクセルペダルを、全ストロークの4分の1だけ踏んでみる。次に半分。そして8分踏み。最後にフルフラット。どの段階でも、エンジンがリニアに反応するんです! チューニングが難しい直噴エンジンなのに、不感症な領域がない。実用エンジンとして、隙がなく、キレイに仕上がっています。
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