BMW X5 xDrive35d xライン(4WD/8AT)
異端であるがゆえの本流 2014.03.11 試乗記 直6ディーゼルターボを搭載した「BMW X5」に試乗。モダンなパフォーマンスとクラシックなフィーリングを併せ持つ、その魅力に触れた。大型SUVで「駆けぬける歓び」
「X5」はBMW内の異端であるがゆえに、BMWの保守本流をいく。それは、かの田中角栄が自民党内の異端であるがゆえに、政治姿勢としては保守本流をゆこうとしたのにも似ている……かもしれない。まあ、このう、3代目X5の「xDrive35d」の試乗を終えた私は、こう思ったわけであります(と角さんのマネをしても、若い人はご存じないでしょうけれど……)。
ドイツ本国で2013年8月に発表された新型X5は、ざっくり申し上げると、2006年に登場した2代目の機械部分の熟成を図り、7年間の技術進歩、主に電子制御テクノロジーをてんこ盛りにしたモデルである。もちろんボディーは全面的に新しい。とはいえ、2935mmのホイールベースは先代と同一だし、前後サスペンションの形式も同じ、さらにパワートレインもキャリーオーバーなので、したがってプラットフォームは先代の洗練版であると考えられる。
だから、よいのである。
そう私は申し上げたい。スポーツサルーンづくりの名手、BMWならでの味わいがフロイデ・アム・ファーレン、風呂から出て湯あみしてあふれ出てる……という感じ。これぞ「駆けぬける歓び」を感じさせる大型SUVなのだ。