第72回「メルセデス・ベンツCLA45 AMG 4MATIC」
2014.10.24 水野和敏的視点精緻でラフ!?
「ボルボS60ポールスター」「スバルWRX STI」、そして「アウディS3セダン」と、このところパワフルなエンジンを搭載するスポーティーな4WDセダンを集中的に取り上げてきました。一口にハイパワー4WDセダンといっても、それぞれが非常に個性的で、とても興味深いものがあります。今回の主役「メルセデス・ベンツCLA45 AMG 4MATIC」も、個性においてはライバルに引けをとりません。
CLA45 AMG 4MATICは、ご承知のとおり、CLAクラスの最強バージョンです。2リッター直4ターボエンジンは、ライバルたちを寄せ付けない360ps/6000rpmと45.9kgm/2250-5000rpmを生み出し、メルセデス自ら量産4気筒ターボとしては「世界一パワフル」とうたっています。その一方で、ピエゾインジェクターによるスプレーガイド式直噴やマルチスパークイグニッションを用いることで燃費にも配慮しており、JC08モード燃費は13.7km/リッターと、なかなか優秀な値になっています。
また、この強力なパワーを余すところなく路面に伝えるために、駆動方式には「AMG 4MATIC」と呼ばれる4WDシステムが採用されています。FFベースながら、電子制御多板クラッチをリアアクスルに収納して、前後の重量バランスの悪化を防いでいます。0-100km/h加速は、なんと約4.6秒! 通常は前輪駆動で走行しますが、前輪の空転を検知すると、最大で50%の駆動力を後輪に配分するようになっています。価格は730万2000円です。
1リッターあたり180psという高出力を誇る2リッター直4ターボエンジンは、味付けもまた個性的です。前回(第71回)試乗したアウディS3セダンが、上質でスムーズな出力特性を特徴とするなら、こちらはスペック通りのパンチを感じさせるエンジンです。スロットルペダルを踏むと、コンマ8秒ぐらいでしょうか、1秒足らずの待ち時間があって、その後、 一気にトルクが盛り上がります。その盛り上がり方が実に劇的なのです。
誤解してほしくないので強調しておきますが、エンジンの、機械としての精度は非常に高い。精緻に動いています。ところがその味付けが、「超」が付くほどラフなのです。これは強烈な個性です。超精密に造られている最新鋭のエンジン本体に、昔ながらの、慣性力の大きな強力なターボを組み合わせている……エンジンの働きは、そんな組み合わせを感じさせます。
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