第75回「フォルクスワーゲン・ポロ」
2014.11.14 水野和敏的視点「ポロ」だってうかうかしてはいられない
前回は「マツダ・デミオ」のディーゼルモデルを取り上げました。マツダが「クラス概念を打ち破るコンパクト」と豪語するだけあって、これなら欧州のコンパクトハッチに真正面からぶつけることができる――そう感心したテストドライブでした。
そこで、今回はフォルクスワーゲン・ポロを俎上(そじょう)に載せます。グレードは、1.2リッターターボエンジンを搭載する「TSIコンフォートライン」の装備充実版たる「TSIコンフォートライン アップグレードパッケージ」です。フルオートエアコン、リアビューカメラ、シフトパドル、それに追従機能付きのクルーズコントロール「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」などが標準で装備されます。ホイールもカバー付きのスチール製からアルミ製に格上げされ、価格は25万6000円高の249万5000円となります。
それでは、実際にポロを見ていきましょう。ドアを開けて運転席に座ってみると、まずはインテリアのまとめ方に、いかにも実用車的な素っ気なさを感じてしまいました。特にダッシュボードまわりにそう感じました。
もっとも、だからといって、このクラスのクルマとして見劣りするわけではありません。むしろごく当たり前に、安っぽさを出すことなく、そつなく仕上げています。
しかし、あえて言うなら、色使いや装備の配置がちょっとガチャガチャしている気がします。また、インテリアは黒を基調としていますが、この黒い色の中に光が当たると白く、安っぽく反射する部分があるのがわかりますか? プレミアムブランドのアウディに見られるような、光が当たった時でも色調に変化がない、高級感のある黒色が演出する「しっとり落ち着いた質感」はありません。
これまでなら「フォルクスワーゲンのボトムレンジのインテリアを、プレミアムブランドと比較するのは、いくらなんでも酷だ」と言って、ユーザーを納得させることができたかもしれません。しかし、新しいデミオがあれだけ質感で頑張って追い上げてきているのですから、ポロも安閑としてはいられません。もう少し質感の領域まで磨き込むことを期待してしまいます。
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