第265回:イタリア車文化の発信基地
フィアット/アルファ・ロメオお台場を訪問する
2014.11.27
エディターから一言
![]() |
イタリア車輸入販売の老舗、ガレーヂ伊太利屋がフィアット/アルファ・ロメオお台場(東京都江東区)を開業してから2カ月あまりたった。2020年の東京オリンピック開催に向け、街づくりが進みつつある臨海副都心での「手応え」を、同店の野島一彦店長に聞いた。(関連ニュースはこちら)
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ファミリー層が中心
フィアット/アルファ・ロメオお台場は、臨海副都心の有明北地区にある。有明テニスの森公園を囲むように広がるこの地区は、マンション開発が進み、新しい小中学校の建設が予定されるなど、生活都市として発展し続けている。
また、6年後の東京オリンピック/パラリンピックの開催に向けて競技場が整備されるほか、それに併せて商業地や公園の整備も計画されており、いままさに街全体が大きく動き始めたところである。
2014年9月13日のオープンから2カ月あまり、お台場店にはどういった層のお客さんがやってくるのだろうか。同店の野島一彦店長は、「近隣にタワーマンションが多く建つ関係から、若いご夫婦やファミリー層のお客さまが多くいらっしゃいます」と語った。
ガレーヂ伊太利屋は麻布十番店(東京都港区)も経営しており、そちらではアルファ・ロメオの人気が高い。しかし、お台場店では、打って変わってフィアットが人気。受注の7割から8割が「フィアット500」という。
「若いご夫婦や、逆にリタイアしてご夫婦でしか乗らないというお客さまには、『パンダ』よりチンクエチェントの方が人気が高い」そうである。
新車から旧車、カーグッズまで
店舗の1階ショールームにはこの日、3台のフィアットと、同じく3台のアルファ・ロメオが展示されていた。
そしてショールームの奥の壁には、なにやらアルファレッドに塗られたフロントカウルらしきものがつるされている。近くに寄って見てみると、なんとあのリビルドされた、貴重極まりない「アルファ・ロメオ・カングーロ」のノーズだった。まるで現代美術館のようである。
そのオブジェを眺めつつ階段を上ると、2階にはモダンな応接スペースが広がっていた。
「クルマの販売や整備を行うだけでなく、『カーグラフィック』のバックナンバーを並べたり、ル・ガラージュのカーグッズ販売コーナーを併設したりして、文化というものを発信していきたいと考えています」と野島店長。
また、新車だけでなく、古いクルマに強いのも同店の特徴だ。ガレーヂ伊太利屋はビンテージカーのメンテナンスやレストアから、海外での買い付け、そして委託販売までを請け負う事業「ガレーヂ伊太利屋クラシケ」を展開している。この日は新車の「ジュリエッタ」に並んで、初代ジュリエッタのベルリーナ(セダン)が展示されていた。
クルマを軸にしたイタリア文化を広く扱うフィアット/アルファ・ロメオお台場は、イタリア車好きの味方として、今後どんどんその存在感を強めていきそうだ。
(webCG 竹下)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
-
第842回:スバルのドライブアプリ「SUBAROAD」で赤城のニュルブルクリンクを体感する 2025.8.5 ドライブアプリ「SUBAROAD(スバロード)」をご存じだろうか。そのネーミングからも想像できるように、スバルがスバル車オーナー向けにリリースするスマホアプリである。実際に同アプリを使用したドライブの印象をリポートする。
-
第841回:大切なのは喜びと楽しさの追求 マセラティが考えるイタリアンラグジュアリーの本質 2025.7.29 イタリアを代表するラグジュアリーカーのマセラティ……というのはよく聞く文句だが、彼らが体現する「イタリアンラグジュアリー」とは、どういうものなのか? マセラティ ジャパンのラウンドテーブルに参加し、彼らが提供する価値について考えた。
-
第840回:北の大地を「レヴォーグ レイバック」で疾駆! 霧多布岬でスバルの未来を思う 2025.7.23 スバルのクロスオーバーSUV「レヴォーグ レイバック」で、目指すは霧多布岬! 爽快な北海道ドライブを通してリポーターが感じた、スバルの魅力と課題とは? チキンを頬張り、ラッコを探し、六連星のブランド改革に思いをはせる。
-
第839回:「最後まで続く性能」は本当か? ミシュランの最新コンフォートタイヤ「プライマシー5」を試す 2025.7.18 2025年3月に販売が始まったミシュランの「プライマシー5」。「静粛性に優れ、上質で快適な乗り心地と長く続く安心感を提供する」と紹介される最新プレミアムコンフォートタイヤの実力を、さまざまなシチュエーションが設定されたテストコースで試した。
-
第838回:あの名手、あの名車が麦畑を激走! 味わい深いベルギー・イープルラリー観戦記 2025.7.5 美しい街や麦畑のなかを、「セリカ」や「インプレッサ」が駆ける! ベルギーで催されたイープルラリーを、ラリーカメラマンの山本佳吾さんがリポート。歴戦の名手が、懐かしの名車が参戦する海外ラリーのだいご味を、あざやかな写真とともにお届けする。
-
NEW
BMWの今後を占う重要プロダクト 「ノイエクラッセX」改め新型「iX3」がデビュー
2025.9.5エディターから一言かねてクルマ好きを騒がせてきたBMWの「ノイエクラッセX」がついにベールを脱いだ。新型「iX3」は、デザインはもちろん、駆動系やインフォテインメントシステムなどがすべて刷新された新時代の電気自動車だ。その中身を解説する。 -
NEW
谷口信輝の新車試乗――BMW X3 M50 xDrive編
2025.9.5webCG Movies世界的な人気車種となっている、BMWのSUV「X3」。その最新型を、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか? ワインディングロードを走らせた印象を語ってもらった。 -
NEW
アマゾンが自動車の開発をサポート? 深まるクルマとAIの関係性
2025.9.5デイリーコラムあのアマゾンがAI技術で自動車の開発やサービス提供をサポート? 急速なAIの進化は自動車開発の現場にどのような変化をもたらし、私たちの移動体験をどう変えていくのか? 日本の自動車メーカーの活用例も交えながら、クルマとAIの未来を考察する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」発表イベントの会場から
2025.9.4画像・写真本田技研工業は2025年9月4日、新型「プレリュード」を同年9月5日に発売すると発表した。今回のモデルは6代目にあたり、実に24年ぶりの復活となる。東京・渋谷で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代
2025.9.4デイリーコラム24年ぶりにホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。ベテランカーマニアには懐かしく、Z世代には新鮮なその名前は、元祖デートカーの代名詞でもあった。昭和と平成の自動車史に大いなる足跡を残したプレリュードの歴史を振り返る。 -
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】
2025.9.4試乗記24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。