第80回:BMW M3セダン(後編)
2014.12.19 水野和敏的視点「これはすごい」と感じたが……
先代M3(E90)の4リッターV8エンジンを捨て、ストレート6に回帰した最新M3。ツインターボを得た3リッター直6エンジンは、最高出力431ps/5500-7300rpm、最大トルク56.1kgm/1850-5500rpmを発生します。
早速、テストドライブを始めましょう。M3セダンに乗った瞬間、「これはすごい」と感じました。ボディーの剛性が高く、サスペンションも実にしっかりしています。ちょっとやそっとのことではびくともしません。抽象的な表現ですが、M3に乗った瞬間、クルマがなんかこう「ドーン」と構えているのがドライバーに伝わってきて、その泰然自若ぶりに圧倒させられます。
ただ、このテストに臨む前に乗った「M4クーペ」と比較すると、わずかながらに粗さを感じてしまったのも事実です。
例えばLSDですが、差動制限が働く過程が徹底的にスムーズなM4に比べ、M3では時にドンッという明確なキックバックが認められました。左右後輪のトルクがどこで変動しているのか分からないほど滑らかなM4に対し、M3は挙動と挙動の境界ゾーンで「点」と「点」のつながりが意識されたのです。
路面のギャップを通過する時、リアサスペンションのブッシュがほんの一瞬、グニャッとよれる挙動。あるいはコーナーに進入し、ステアリングを右へ左へと切ると、車両の前が動き、その後、荷重が入り、後ろが続くという挙動。いずれもクルマとしてごく当たり前の挙動であり、基本としてM3は高いレベルでまとめられています。
しかし、M4ではそういったものすら徹底的になめらかに合わせ込まれており、一体どこでつながっているのかわからないほど洗練されていました。おそらく設計年次の新しさが関係しているものと思われます。
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