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第14回:高級車の世界にようこそ
輸入車チョイ乗りリポート~500万円から1000万円編~

2015.03.19 JAIA輸入車試乗会2015

フォルクスワーゲンやボルボの上級モデルに、キャデラック、アルピナと、輸入車の中でも車体価格が3ケタ万円の後半に突入すると、「高級車」といって差し支えないモデルが顔を出し始める。そんな中から、webCG編集部が注目した5台を一挙紹介する。

見た目よりマジメ
キャデラックATSクーペ プレミアム……509万円

アメリカっていう国は、本当に面白いなと思った。
グーグルもアップルもマイクロソフトもあって、さらにこのキャデラックまであるのだから、幅広いし奥深いし多様だ。
その多様さ故なのか、一昔前なら「アメリカン」という言葉はとてもわかりやすかったけれど、今ではファミレスのメニューくらいでしか見かけない、ほとんど死語といっていい言葉になってしまった。

近年シリコンバレー周辺で流行している、シンプルで平面的な「フラットデザイン」からは遠く離れた、独特の印象を放つ「ATSクーペ」だが、ゼネラルモーターズ・ジャパンの広報さんから、このクルマはITベンチャーの社長さんにも売れているらしいと聞いて、ちょっとびっくりした。ITバブル以降の若いベンチャー社長は堅実派だから、ドイツ製のアレとか、あるいは国産のソレとかに乗るのかと思っていたので意外だ。

けれども、一見すると派手でチャラっとしたイメージのATSクーペだが、乗ってみると実にマジメなクルマなのだった。カッシリとしたステアリングフィールに、いかにも精密さを感じさせるエンジン。竹下 登の孫でミュージシャンのDAIGOは、外見はビジュアル系だが、人柄はマジメで礼儀正しいらしい。ATSクーペもまさしくそういったクルマだ。

パッと見はほかにない斬新さで、それでいて中身は機能がびっしりと詰まっている。そんな新しいカタチの「アメリカン」が、新しい価値観を作り出そうとしている人たちに好まれているというのは、乗ってみるとなるほどうなずける。

(文=工藤考浩/写真=田村 弥)

キャデラックATSクーペ プレミアム
キャデラックATSクーペ プレミアム 拡大
 
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ロータス エキシージ の中古車

大人の余裕
ボルボV70 T5 SE……529万円

現行の「V70」がデビューしたのは2007年だから、はっきり言ってしまえばかなり昔のクルマだ。この8年間で自動車はずいぶん進化したけれど、その進化をV70はほぼ丸ごと盛り込んでいる。

2015年モデルとして新たに加わったグレード「T5 SE」に搭載されるエンジンは、昨年「60シリーズ」から導入が開始された新世代の2リッター直4直噴ターボ。それに8段ATが組み合わされる。エンジンのダウンサイジングと多段化ATの採用という、ここ数年のトレンドをしっかりと取り入れているし、ボルボお得意の安全装備も「全部入り」だ。
エクステリアのデザイン、特にリアまわりに8年の歳月を感じなくもないが、インテリアはマイナーチェンジでのお化粧直しが奏功しており、スカンジナビアの香りを存分に感じることができる。
走りだしてみると、新世代パワートレイン「Drive-E」の2リッター直4直噴ターボと8段ATは快適で、1720kgのボディーがスルスルと上品に加速していく。「大人の余裕」といった感じ。

ステアリングを握りながら、「こういうクルマを最後の一台に選べたらいいな」と感じた。
丈夫で長持ち、安全性もトップクラス。後席には孫たちを乗せるのにちょうどいい「インテグレーテッド・チャイルド・クッション」もある。荷室も広いので、趣味の道具を積んでの遠出にもぴったりだ。
そんな理想的な老後を過ごすためにも、もうしばらく頑張って働かなければならない。よしV70を目標に、仕事に励もう。

(文=工藤考浩/写真=峰 昌宏、田村 弥)

ボルボV70 T5 SE
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最高級フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲン・トゥアレグV6アップグレードパッケージ……686万円

つい先ほどまで「ティグアン」に乗っていて「いいクルマだなあ」と思っていたのだが、「トゥアレグ」に乗ってしまうとやっぱり格の違いをはっきりと感じてしまった。

なにより、乗り心地がすばらしい。
JAIAの輸入車試乗会では西湘バイパスが主な試乗コースになるのだが、この道路は路面の継ぎ目の段差がとても大きく、クルマにとっては過酷な条件である。しかしトゥアレグは、そんな悪名高き西湘バイパスを、まるで路面状況が改善されたかのようなフラットさで走り抜ける。
オプションのエアサスを装着しているのかと思い手元の資料を確認したが、標準の金属バネで間違いなかった。
乗り心地だけでなく、室内の質感も完全に高級車。さすがはフォルクスワーゲン現行ラインナップの最高価格車だけある。
ほとんど直6に近い、バンク角10.6度の3.6リッターV6エンジンが縦置きに収まるエンジンルームも壮観だ。

いいとこだらけのトゥアレグだが、全長4815mm、全幅1945mmというボディーサイズは、購入するのに覚悟が必要だ。
ただ、その大きさも帳消しになるくらい、このクルマのしっとりとした乗り味は魅力的だ。
ティグアンを買おうとしている人は、トゥアレグを試乗しない方がいいかもしれない。悩み事がひとつ増えてしまうこと請け合いだから。

(文=工藤考浩/写真=峰 昌宏)

フォルクスワーゲン・トゥアレグV6アップグレードパッケージ
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見た目より優しい
ロータス・エキシージSロードスター……972万円

350psを誇る3.5リッターV6スーパーチャージドエンジンをミドに搭載。それでいて車重は1.2トンを切る。クーペの「エキシージS」よりも10kg軽く仕上がっているのだそうだ。

カッコは、かなり勇ましい。「エリーゼ」をワイドにして、リアにボリュームを持たせたフォルム。エキシージSからリアウイングとフロントスプリッター(とルーフ)を取り去ってスッキリはしたけれど、ロータスが言うような「控えめなスタイリング」にはとても見えない。

そんなエキシージSロードスターへの乗り込みは(ルーフがない限りは)簡単だ。これがエキシージSだと、狭い開口部から、苦労してサイドシルをまたいで、体をひねって低いシートに、となるわけで、いつでも気軽に……、というふうにはいかないだろう。

インテリアの造形は、エリーゼとほぼ変わらない。脚を前に投げ出して小径のステアリングホイールを握れば、自然と気分は盛り上がる。走りだして印象的なのは、澄み切ったステアリングフィールだ。ノンパワーだけに据え切りでこそグッと手応えを感じるものの、タイヤひと転がりでスッと重さは消え去って、路面の感覚をリアルに伝えてくる。シフトフィールも文句なく、ギアチェンジそのものが気持ちいい。

エンジンは低速でも扱いやすく、回せばパワーも十分。神経質なところはまったくないので、初心者からベテランまで、乗れば誰もが笑顔になれる。タイヤの巻き上げる小石のせいで床下が少々にぎやかだけど、見た目と違って乗り心地も望外に快適だ。

エキシージSロードスターは、古き良きスポーツカーの香りを色濃く残す、懐の深い一台だった。

(文=webCG 近藤/写真=峰 昌宏)

ロータス・エキシージSロードスター
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紳士淑女のスーパーセダン
アルピナD3ビターボ リムジン……999万円

エンジンをかけて、驚いた。あまりにも静かだったから。ひょっとして、「B3」(ガソリン車)と取り違えちゃったのか? ちょっと不安になったところで、計器に「Diesel」の文字を見つけてホッとした。……というのは、ホントの話。給油の際は、気をつけないといけない。

それほど行儀のいいエンジンが、71.4kgmの大トルクを発するというから、また驚く。しかも、わずか1500rpmで! BMWが誇るハコ型スーパーカー「M3セダン」だって、たしか56.1kgm/1850-5500rpmのはず。駆けぬけずとも、思うだけで痛快な気分になってくる。

実際の加速力は、その期待を裏切らない。踏めば踏んだだけいくらでもスピードが得られる、ような気になる。でも、マナーは紳士的。急激なGの変化で緊張を強いられることもなければ、車内がごう音で満たされることもない。サーキットでのパフォーマンスを高らかにうたい、スピーカーまで動員してエンジン音を聞かせるM3とは(それも憧れの対象ではあるけれど)、対照的な高性能だ。

もっとも、室内だって体育会系な感じはしない。アメ色に輝くウッドパネルは汗くささとは無縁だし、どの走行モードを選んでみても、乗り心地は上質そのもの。これで5人乗れて、荷物が積めて、軽油で17.0km/リッター!?
一台で何でもこなせるスーパーセダンだと思えば、1000万円はリーズナブルかも……と思ったら、多くのオーナーは、D3をセカンドカーとして選ぶのだそう。いやはや……。

(文=webCG 関/写真=田村 弥)

アルピナD3ビターボ リムジン
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ロータス エキシージ の中古車
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