レクサスIS200t“Fスポーツ”(FR/8AT)
良質な中庸 2015.10.14 試乗記 レクサスのスポーティーセダン「IS」に、2リッター直4直噴ターボを積んだ「200t」が登場。レクサスにとってこれが2番目となるダウンサイジングターボエンジン搭載車の実力を試す。ダウンサイジングターボの第2弾
1982年に発売された「トヨタ・カリーナGT」は、ハイパワーに魅せられた自動車好きをうならせた。「鬼に金棒。ツインカムにターボ。」というキャッチコピーで高性能を象徴する2つのキーワードを誇らしげに掲げ、スポーティーさを訴えた。時はあたかもバブル前夜。これ以降浮かれ気分の中でターボエンジンがもてはやされるようになる。
しかし、栄枯盛衰は世の習いだ。1990年代に入るとスポーティーカーの人気は急落し、燃費の悪いターボエンジンは姿を消していく。トヨタでは2006年を最後にターボエンジン搭載車のラインナップがゼロになってしまった。
同じ頃、ヨーロッパでは新世代の過給エンジンが登場し始めていた。2005年にフォルクスワーゲンが「TSIエンジン」を発表し、高出力と低燃費を両立させた新たなテクノロジーを見せつける。いわゆるダウンサイジングコンセプトである。日本はこの流れに乗り遅れた。トヨタが初めてダウンサイジングターボエンジンを投入したのは2014年の「レクサスNX」だった。レクサスブランドでは初のターボエンジン搭載車で、このためにターボチャージャーを自製するという気合の入れようである。
クロスオーバーSUVのNXは、2リッター直4ターボを搭載する「200t」とハイブリッドモデルの「300h」の2本立て。環境対策としてハイブリッドを前面に押し出してきたトヨタが、両刀使いに転向したわけだ。そしてこの8月に、同じ2リッター直4ターボを採用したモデルの第2弾が登場した。スポーティーセダンのレクサスISである。