第440回:大矢アキオのジュネーブショー2016
ヒュンダイ製“プリウス・キラー”を侮るな!?
2016.03.11
マッキナ あらモーダ!
ジュネーブショーの東京オートサロン化、進行中!
ジュネーブモーターショー2016が開幕。3月1日と2日の両日は報道関係者向けに公開された。
今年は30の国と地域から約200の企業・団体が参加。世界初・欧州初の展示は120であった。
参考までに言うと、昨2015年の出展者・団体数は220程度で、世界初・欧州発の展示は約160と発表されていたから、規模としてはやや縮小したことになる。上海発のプレミアムカーブランド、クオロスや、元ベルトーネのマイケル・ロビンソンが率いて昨2015年に参加したEDデザインが会場から消えたのは、その一例である。思えば、クオロスはジュネーブショーに出展することで、欧州に認められたブランドになったことを強調していた。当初の目的を達成して“卒業”したのだろう。
そして、もうひとつ。なんとランチアもジュネーブ会場から消えていた。
にもかかわらず、ボクが会った中の誰ひとりとして、その伝統的イタリア高級車ブランドの、歴史的ともいえるブース消滅を話題にしなかった。同じグループのFCAによる「フィアット124スパイダー」の欧州プレミアや「アバルト124スパイダー」のワールドプレミアに、幻惑されたのに違いない。
一方、ここ数年、会場で目立つようになってきたのはチューナー。そして中国などの資本を得た少量生産工房である。彼らのブースは、コンパニオンも派手なことが多い。だから、ボク自身は「ジュネーブショーの東京オートサロン化が進行中」と読んでいる。
そうした中、自動車会社としては、ジュネーブショーからおよそひと月後の中国でのショーも視野に入れて、主力車種の発表やコンセプトカー作りに注力するのは当然のことだろう。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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