第389回:ブレーキペダルはもう不要!?
「日産ノートe-POWER」で、ワンペダルジムカーナに挑戦
2016.12.29
エディターから一言
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2016年12月21日、神奈川県の大磯ロングビーチで、「日産ノートe-POWER」を使用して、アクセルペダルのオン/オフだけで(なるべく)走行する「ワンペダルジムカーナ試乗会」が開催された。実生活ではPHEVを愛用し、“回生ブレーキの使い手”としては有段レベルにあるはずの筆者がこれに挑戦。果たしてその結果は!?
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アクセルオフで停止まで
正直、ここまでウケるとは思っていなかった。2016年11月にシリーズハイブリッドの新パワートレイン「e-POWER」が追加になった日産ノートが、いきなりその月に国内販売台数ナンバーワンを獲得! この快挙以上に衝撃的だったのは、日産の国内月間販売ナンバーワンが1986年9月の“トラッドサニー”以来、実に30年ぶりということ。86年当時の私は社会人1年目の真面目な(!?)サラリーマンで、オフィスがあった「サンシャイン60」に入っていた日産ギャラリーをほぼ毎日のようにのぞいていたのを思い出す。
昔話はさておき、ノートのナンバーワンに大きく貢献したのがe-POWERで、事実、「e-POWER X」と「e-POWER メダリスト」だけで、受注の7割以上を占めているそうだ。1.2リッターエンジンを発電のためだけに動かし、それで得られた電気を使ってモーターで走るe-POWERは電気自動車(EV)とは別モノだが、モーター駆動ならではのスムーズで力強い加速や34.0km/リッターというカタログ燃費が輝いて見える人が多かった……ということなのだろう。
そんなノートe-POWERの特徴のひとつが、強力な回生ブレーキを活用した“ワンペダルドライブ”。日産では「e-POWER Drive」と呼んでいるが、これを使うとアクセルペダルひとつで加速はもちろん、減速もできてしまうのだ。ノートe-POWERで走行モードを「S」または「ECO」を選んだ場合に、アクセルペダルを戻すと強く減速するようになり、最終的にはクルマを停止することも可能だ。もちろん、状況にあわせてフットブレーキを併用する必要はあるが、このワンペダルドライブによりアクセルとブレーキの踏み換えが7割減るといい、慣れるとそのぶん運転が楽になるというのは、実際にPHEVオーナーである私も実感している。
フットブレーキを使ったら5秒のペナルティー
このワンペダルドライブを“ジムカーナ”に取り入れてタイムを競ってみようという試乗イベントに、webCG編集部が参加した。場所は神奈川県の「大磯ロングビーチ」の駐車場。広大なスペースを誇るこの駐車場は、プールのシーズンが終わると、さまざまなクルマのイベントが行われることで知られている。今回は、この駐車場にパイロンでジムカーナコースをつくり、ノートe-POWERでタイムトライアルを行う。
各ドライバーのベストタイムで順位を決めるというのは通常のタイムトライアルと同じなのだが、今回は「ワンペダルジムカーナ試乗会」ということでユニークなルールが追加されている。それはフットブレーキを踏んだら走行タイムに5秒加算というペナルティーが科されるというもの。コースには細いクランクやスラローム、8の字ターンなどがあり、スピードが速すぎるとパイロンにタッチしたり、ミスコースをしたりする恐れがある。それもペナルティーの対象になるので、アクセルペダルの操作で、いかに上手に加減速をするかが勝負の決め手になるのだ。
ちなみに、ノートe-POWERでは、フットブレーキを踏んだときはもちろんのこと、アクセルペダルを離して回生ブレーキが利くときにも、ブレーキランプが点灯する。そこで、試乗車にはフットブレーキを踏んだときにはルーフに置かれた青いパトライトが点灯するよう細工が施されていた。
鬼門は停止位置のコントロール
最大の難関はゴール。タイム計測ラインの先、クルマ1台分ほど奥に完全停止ラインが設けられていて、この停止ラインを越えないようにクルマを止めなければならないのだ。停止ラインを越えると50cmにつき2秒のペナルティーとなり、かといってフットブレーキを使えば5秒のペナルティーが待っているから、どこまでアクセルペダルを踏み続け、どこでアクセルペダルを離すかがポイントである。
そのタイミングを探るべく、走行モードのSを選び、早速、練習走行を開始! 途中のクランクでは、アクセルオフにより強い減速が得られるのでブレーキペダルを踏まなくてもなんとかスピードコントロールが可能。しかし、コースの最後、完全停止ラインでは2mほどオーバーラン。もっと早めにアクセルペダルから足を放さないと……。そう思いながら挑んだ2回目の練習走行では、タイム計測ラインの手前でクルマが止まりそうになり、あわててアクセルペダルを踏むことに。そして3回目は完全停止ライン前で停止したが、それは運が良かっただけで、5回練習したが、結局タイミングをつかむことができなかった。
そしていよいよ本番。1本目は慎重に走り、練習のベストタイムより3秒以上の遅れ。しかも、ゴールも慎重すぎで、またもやゴール手前でクルマが止まりそうになる。それでもペナルティーなしで1本目を終えることができた。そこで2本目は少しペースを上げるのだが、途中でパイロンにタッチするは、うまく止められないはで、タイムアップにはほど遠い。そんなことだから、私のタイムはランキング後半に沈んでしまったが、ワンペダルドライブの醍醐味(だいごみ)は存分に味わうことができた。
このワンペダルドライブ、うまく使えば燃費向上にも効果的なはずなので、ぜひとも次回は燃費を競う試乗イベントを計画してほしいものだ。最近はエコランが得意になってきたので、そのときは絶対にリベンジするから(笑)。
(文=生方 聡/写真=郡大二郎/編集=藤沢 勝)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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