トヨタ・カムリ 開発者インタビュー
セダンは一番優秀なんです! 2017.07.27 試乗記 トヨタ自動車MS製品企画ZVチーフエンジニア
勝又正人(かつまた まさと)さん
世界100カ国以上で販売されているグローバルモデルで、アメリカでは15年連続で販売台数1位。「カムリ」はトヨタにとって重要な意味を持つモデルだ。日本ではセダン不遇の時代が長く続いているが、フルモデルチェンジで反転攻勢をかけようとしている。プラットフォームとパワートレインを刷新した初の“ALL NEW TNGA”モデルの開発を主導した勝又正人さんに、新型カムリに託した思いを聞いた。
名前だけでは売れない
――セダンが売れないといっても、カムリは広く名前が知られているのが強みですよね。
いやいや、とんでもない。国内でのネームバリューは非常に小さいんです。「カムリ/ビスタ」時代をご存じの方もいらっしゃいますが、「マークII」の下というイメージをお持ちだったりするのでメリットになりません。販売店からは「ウィンダム」という名前のほうが売りやすい、なんて言われますし……(笑)。名前だけで売るなんて無理ですよ。
――アメリカでベストセラーカーだというのは売りになりませんか?
残念ながら、それもほとんど知られていません。だから、まずはデザインで目を引かなければならないんです。とにかく乗っていただければ、セダンのよさに気づいていただけますから。ありがたいことに、出足は好調です。想定の倍以上の事前受注があって、実は私自身もクルマを入手できていません。
――どんな方が購入しているんですか?
以前から扱っていたカローラ店では、やはり先代カムリからの乗り換えが多いですね。新たに併売することになったネッツ店やトヨペット店では、「マークX」や「プリウス」のお客さまもいらっしゃいます。BMWやメルセデス・ベンツに乗って、ふらっと来店される方も少なくないんですよ。