マツダ・ビジョン クーペ:まるで秀でた芸術品
2017.10.26 自動車ニュース![]() |
さまざまなコンセプトモデルが会場を彩る、東京モーターショー。会場に足を運んだモータージャーナリストの藤島知子さんは、マツダが展示した一台に強く引き付けられた。
生命を宿しているかのよう
海外メーカーの出展が少ないと嘆かれている、今年の東京モーターショー。クルマの数は絞られているものの、展示されているコンセプトカーも市販間近なモデルも、その一台一台が各メーカーの今後の展開を読み解く鍵を握っていて、内容をじっくり知りたくなる展示物が多かった。
そもそも、モーターショーは各メーカーが思い描く近未来像がコンセプトカーに投影されるもの。今後、いっそう厳しさが増す環境への対応、事故ゼロの社会の実現、自動運転化に向けた取り組みが加速する一方で、人の心を動かすデザインや走りの楽しさを提案するメーカーもあるなど、注目点は多岐に及ぶ。
中でも私が心を奪われてしまったのは、マツダブースにあった「ビジョン クーペ」。魂動デザインを4ドアクーペに進化させて、新しいエレガンスを表現したディテールは、一切のムダを削(そ)ぎ落とし、ボディーの曲面が光と影のうつろいを繊細に映し出す。まるで、生命を宿しているような圧倒的なオーラは、秀でた芸術品と1対1で対峙(たいじ)しているようで、身震いしてしまいそうになる。デジタルでは得られない何かが、ここに存在しているのだ。
(文=藤島知子/写真=峰 昌宏)

藤島 知子
モータージャーナリスト <愛車:アウディS1、アストンマーティンDB9> 幼い頃からのクルマ好きが高じて、市販車やミドルフォーミュラカーなどのレースに参戦。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験を持つ。レース活動で得た経験や女性目線をもとに自動車専門メディアやファッション誌などに寄稿。テレビ神奈川の新車情報番組『クルマでいこう!』は出演10年を迎える。日本自動車ジャーナリスト協会会員、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
-
WHILL:パーソナルモビリティーの近未来を体感してほしい 2017.10.27 東京モーターショーに集うのはクルマやバイクだけではない。パーソナルモビリティーの生産・販売を手がけるWHILL(ウィル/本社:横浜市鶴見区)が提案するのは、AIとパーソナルモビリティーの融合。森口将之は、この分野の近未来に注目している。
-
ホンダ・スポーツEVコンセプト:意外と量産されそうな予感が…… 2017.10.27 いやいや、これは絶対に量産化されない……。モータージャーナリストの鈴木ケンイチは、「ホンダ・スポーツEVコンセプト」を見たとき、まずはそう思ったそうだ。でも、じっと見ているうちに、これこそイチオシじゃないかと直感したのだった!
-
トヨタ・ヴィッツGRMN:その走りに期待せよ! 2017.10.27 見て楽しむのがモーターショー。とはいえ、クルマはやはり乗って楽しむものである。最初から「これは、売らないナ」と、ピンとくるようでは興ざめだ。そこでコレ。フリーライター鈴木真人のイチ押しは「トヨタ・ヴィッツGRMN」である。
-
ダイハツDNコンパーノ:不思議な魅力を持っている 2017.10.27 東京モーターショー2017に、ダイハツは5種類のコンセプトモデルを出展した。そのうちの一台、往年の車名を冠する「DNコンパーノ」に強く引かれるのはなぜなのか。ヒストリックカーにも詳しい自動車ライター、沼田 亨が語る。
-
NEW
BMWの今後を占う重要プロダクト 「ノイエクラッセX」改め新型「iX3」がデビュー
2025.9.5エディターから一言かねてクルマ好きを騒がせてきたBMWの「ノイエクラッセX」がついにベールを脱いだ。新型「iX3」は、デザインはもちろん、駆動系やインフォテインメントシステムなどがすべて刷新された新時代の電気自動車だ。その中身を解説する。 -
NEW
谷口信輝の新車試乗――BMW X3 M50 xDrive編
2025.9.5webCG Movies世界的な人気車種となっている、BMWのSUV「X3」。その最新型を、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか? ワインディングロードを走らせた印象を語ってもらった。 -
NEW
アマゾンが自動車の開発をサポート? 深まるクルマとAIの関係性
2025.9.5デイリーコラムあのアマゾンがAI技術で自動車の開発やサービス提供をサポート? 急速なAIの進化は自動車開発の現場にどのような変化をもたらし、私たちの移動体験をどう変えていくのか? 日本の自動車メーカーの活用例も交えながら、クルマとAIの未来を考察する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」発表イベントの会場から
2025.9.4画像・写真本田技研工業は2025年9月4日、新型「プレリュード」を同年9月5日に発売すると発表した。今回のモデルは6代目にあたり、実に24年ぶりの復活となる。東京・渋谷で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代
2025.9.4デイリーコラム24年ぶりにホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。ベテランカーマニアには懐かしく、Z世代には新鮮なその名前は、元祖デートカーの代名詞でもあった。昭和と平成の自動車史に大いなる足跡を残したプレリュードの歴史を振り返る。 -
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】
2025.9.4試乗記24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。