シトロエンC4 セダクション(FF/4AT)【試乗記】
能動的なドライバーに 2011.08.07 試乗記 シトロエンC4 セダクション(FF/4AT)……256万円
7年ぶりに一新された、シトロエンの基幹モデル「C4」。バランスのとれたクオリティを目指したという新型の実力を、エントリーグレード「セダクション」で試した。
欧州風味の魅力
新型「シトロエンC4」には仕様が2種ある。1.6リッター自然吸気エンジン(120ps)を積む「セダクション」と1.6リッターターボ(156ps)の「エクスクルーシブ」だ。今回は前者、120psの方に試乗した。こちらは205/55R16サイズのタイヤをはじめ、欧州仕様ほぼそのままの姿が魅力である。
6段ATのエクスクルーシブに対し、セダクションのATは4段となるが、トルクコンバーターに改良が施され、燃費はJC08モードで12.1km/リッターと旧型より6%の向上が報告されている。近年ATギアボックスは6〜8段と多段化が進む傾向にあり、本来無段のCVTもまた、わざわざ電気的に固定して使うタイプが増えてきている。まず、この変速機から話をしよう。
一般論として、段数が多いと変速時のエンジン回転差が少なく効率よく加速するし、つながりがスムーズなことはご承知のとおり。しかしチューニングにより個体差はあるし、実際に使う速度域での作動感覚と操作感においては、その良しあしは、必ずしも段数に比例しない。
「C4 セダクション」の場合、下3段のギアは一杯まで回せばだいたい1速:50km/h、2速:100km/h、3速:150km/hに達する。急ぐ時にはここまで各ギアで引っ張れることを頭に入れておけばよい。段階を経るよりも、同じギアで一気に加速する方が滑らかだし、速いこともある。
逆に、ふだんの静かな走行の時には、それぞれ2000rpm以下で上のギアに送り込むことが可能。意思に反して無用に高いところまで引っ張ったり、なかなかアップしなかったりということはない。このC4は手動でシフトしなくとも、ペダルの踏み加減で行える。