Uberの死亡事故で罰せられるのは誰?
自動運転にまつわる“法的責任”のあり方を考える
2018.04.04
デイリーコラム
事故の責任は誰にあるのか?
2018年3月18日に米アリゾナ州テンピで、米ウーバー・テクノロジーズ(以下、Uber)の自動運転実験車両が起こした死亡事故。その衝撃は、事故発生から2週間を過ぎた現在も収まっていない。まだあまりにも多くの疑問が未解明のままになっており、当事者であるUberが沈黙を守っていることもあって、臆測が臆測を呼ぶ展開になっている。
しかし、今回の事件がはっきりと示したのは、「自動運転車が事故を起こした場合、その責任は誰が取るべきなのか」という根本的な問題を置き去りにしたまま、現実には実験車両がすでに公道を多数走っているということだ。今回の事故の原因については今後の調査を待つ必要があるが、現在の法体系の下で、事故の責任は誰にあるのか、どんな課題が残っているのかについて考えてみる。なお、米国での法的な状況の詳細が不明なため、ここでは「今回のような事故が国内で起きたら」という前提で話を進める。
交通事故を起こした場合の責任には「民事的責任」と「刑事的責任」の2つがある。民事的な責任とは、簡単にいえば被害者への損害賠償の問題であり、刑事的な責任とは、犯罪行為について国から処罰を受けることを指す。このうち民事的な責任については、一般には保険制度により被害者を救済する仕組みが日本では確立している。さらにいえば「行政罰」として、「免許停止」「免許取り消し」といったような処分がある。
まず民事的な側面から考えると、交通事故による損害賠償には、人をけがさせたり死亡させたりした場合の「人損」と、クルマが店舗などに衝突して壊してしまった場合のような「物損」がある。人損や物損の損害賠償責任に関する法律では、運転者が責任を問われるだけでなく、運送会社の車両が事故を起こした場合などには、運転者を雇用している使用者の責任として会社が損害賠償責任を負うこともある。
さらに、自動車に欠陥があった場合は「製造物責任法(PL法)」が絡んでくる。道路に穴が開いていたとか、信号機が故障あるいは停電していたなど、道路や設備に瑕疵(かし)があった場合は「営造物責任」の問題も出てくる。
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