フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/6AT)
サイコーにちょうどいいGTI 2018.09.06 試乗記 「フォルクスワーゲン・ポロGTI」に試乗。自身のボディーサイズの拡大に加えて、弟分の「up! GTI」がデビューしたことにより、コンパクトという主張がしづらくなった“次男坊”は、どんな魅力を備えているのだろうか。ボディーに「POLO」のバッジがない
ずいぶん大人っぽくなったな。新型「ポロTSIハイライン」に乗った時の感想を、ひと言で表せばそういうことになる。サイズが大きくなって内外装の質感が上がり、走りの質感が高い。実用車として満足のいく仕上がりだった。ただ、落ち着き払った立ち居振る舞いに少しだけ寂しさを感じてしまったのも事実である。
ならばポロGTIはどうか。TSIハイラインよりもヤンチャなキャラ設定になっているはずである。強力なエンジンを与えられているだけでなく、高性能をアピールするデザイン要素にも事欠かない。成長してカドが取れてもなお隠すことのできないパッションが残されているだろうか。
このクルマにup! GTIと「ゴルフGTI」を加え、“GTI三兄弟”のラインナップがそろった。このところGTIはゴルフのみという状況が続いていたが、それではもったいないということになったのだろう。知名度のあるGTIブランドを押し出すことで、スポーティーなイメージを高らかにうたうことができる。フォルクスワーゲンのウェブサイトでも、GTIシリーズとして3台をまとめて扱っているのだ。ポロGTIのエクステリアにはGTIのバッジだけで「POLO」の文字がない。それはほかの2台も同じで、車名よりもグレード名が優先されている。
フォルクスワーゲンではGTIシリーズを“ホットハッチ”と表現している。ゴルフGTIは車格的にはちょっと似合わない言葉のようにも思えるけれど、堂々たる風格となった今も初代が持っていたスピリットを受け継いでいるという主張なのだろう。up! GTIのキャッチコピーは「小さいけど、しっかりGTI」。上下のわかりやすい持ち味を持つモデルにはさまれたポロGTIは、強く自己主張しにくい立場ともいえる。