第9回:トヨタ・カローラ スポーツ(前編)

2018.10.24 カーデザイナー明照寺彰の直言
「トヨタ・カローラ スポーツ」
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デビュー以来、走りのよさで好評を博している「トヨタ・カローラ スポーツ」だが、従来モデルとは一線を画すそのデザインは、プロの目にはどう映っているのか? その背景にあるカーデザインのトレンドと合わせ、現役の自動車デザイナー、明照寺彰が語る。

2018年6月にデビューしたトヨタのCセグメントハッチバック「カローラ スポーツ」。カローラシリーズ久々のハッチバックモデルだが、実質的には「オーリス」の後継に当たる。
2018年6月にデビューしたトヨタのCセグメントハッチバック「カローラ スポーツ」。カローラシリーズ久々のハッチバックモデルだが、実質的には「オーリス」の後継に当たる。拡大
ほった:「『カローラ スポーツ』もガバッっとしてません?」
明照寺:「グリルだけの話じゃないですよ(笑)。その上の部分も含めた、顔全体のボリュームの話です」(写真=向後一宏)
ほった:「『カローラ スポーツ』もガバッっとしてません?」
	明照寺:「グリルだけの話じゃないですよ(笑)。その上の部分も含めた、顔全体のボリュームの話です」(写真=向後一宏)拡大
「BEAUTIFUL MONSTER(ビューティフル・モンスター)」という強烈なキャッチコピーとともに日本デビューを果たした「トヨタ・カムリ」。フロントグリルの強調度合いや、グリルから上の部分の厚み、エンブレムが鎮座する鼻先の高さなどに注目。
「BEAUTIFUL MONSTER(ビューティフル・モンスター)」という強烈なキャッチコピーとともに日本デビューを果たした「トヨタ・カムリ」。フロントグリルの強調度合いや、グリルから上の部分の厚み、エンブレムが鎮座する鼻先の高さなどに注目。拡大
2018年3月のジュネーブショーで発表された、新型「メルセデス・ベンツAクラス」。最近では、プレスラインの少ない、シンプルな面構成がカーデザインのトレンドとなっている。
2018年3月のジュネーブショーで発表された、新型「メルセデス・ベンツAクラス」。最近では、プレスラインの少ない、シンプルな面構成がカーデザインのトレンドとなっている。拡大

これがトヨタ流の“すっきりデザイン”

永福ランプ(以下、永福):カローラ スポーツは、走りが非常にイイということで、とても前向きに評価されているモデルですが、デザインはどうでしょう。

明照寺彰(以下、明照寺):最近のトヨタの中では、あまりゴテゴテしてないですよね。

永福:前後ランプには、鎌みたいにとんがった部分が付いてますけど。

明照寺:いや、面構成が基本的にシンプルで、そういう面では好感が持てます。顔まわりにしても、トヨタが最近多用しているガバッとした感じがあまりなくて、むしろボリュームが足りないくらいで。

清水:ガバッとした感じというのは?

明照寺:トヨタは最近、顔をことさら強調するような、つまり“デカい顔”をやろうとしてますよね。例えば「カムリ」とか。

ほった:「WS」じゃない方の“ビューティフル・モンスター”ですね。

永福:確かにガバッと口を開いてますよね。スポーツじゃない方の「カローラ」なんかも。

明照寺:カローラ スポーツもグリルは大きいですが、顔まわりの位置が全体的に低くて、非常にスマートな感じです。サイドビューの面構成もシンプルめでスカッとしている。こういうのはこれからのトレンドになると思います。多分、クルマのデザインはどんどんシンプルな方向に向かっていくんじゃないかな。

永福:複雑にしすぎた反動でしょうか。

明照寺:メルセデスなんかもそうじゃないですか。どんどんキャラクターラインをなくしたりしている。

永福:ライト形状などよりも、主に面やフォルムのシンプル化が進んでいるということですね。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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