ハーレーダビッドソンFXDR 114(MR/6MT)
進化する鉄馬 2018.11.03 試乗記 すごみの利いたロー&ロングなスタイリングと、1868cc(!)の特大Vツインエンジンが目を引く「ハーレーダビッドソンFXDR 114」。新世代の鉄馬の旗手は、これまでのモデルとは一味違う、積極的にライディングを楽しむためのバイクに仕上がっていた。ルックスはまさにドラッグレーサー
この夏、ハーレーダビッドソンの周辺がかなりザワついた。“ストリートファイター”と呼ばれるヨーロッパ由来のヤンチャ系や、オフロード走行も可能にするアドベンチャー系、さらには電動モデルや小排気量モデル……と、今まで考えられなかったカテゴリーに進出することが示唆されたからである。
これらは2022年頃までのデビューが予定される世界戦略モデルだが、事前にアナウンスされたのはハーレーダビッドソンの伝統的なファンが卒倒しては困る、という配慮なのかもしれない。
実はそうした配慮がすでにカタチになっているモデルもある。伝統と革新の橋渡し的な役割が与えられているのが、このFXDR 114である。
パッと見のシルエットは、ロー&ロングなハーレーダビッドソンのそれだ。そういう意味ではサプライズはないものの、実は既存のどのモデルよりも低く、長い。特に1735mmのホイールベースは、巨体な「ロードキング」や「ロードグライド」よりもさらに110~115mmも長く、フロントフォークが地面に対して大きく寝ていることが分かる。
また、幅240mmの超ファットなリアタイヤに対し、フロントには小ぶりのビキニカウルやセパレートハンドルを装着してスリムさを強調。そこにエレメントむき出しのエアクリーナーボックスや大胆にチョップされたシートなどが加えられ、そこかしこにアグレッシブなドラッグレーサーのテイストが盛り込まれている。要するに、“直線上等”の装備とディメンションと言ってもいい。