フェラーリ・ポルトフィーノ(前編)
2018.11.15 谷口信輝の新車試乗 オープントップのフェラーリ「ポルトフィーノ」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。最高出力600psの“跳ね馬”にワインディングロードでむちを入れた印象は……?不安感の少ないフェラーリ
われらが谷口信輝に今回試乗してもらうのは、フェラーリ・ポルトフィーノ。そう聞いて「ああ、『カリフォルニアT』のマイナーチェンジ版ね」と思ったアナタは大きな間違いを犯している。
たしかにフロントにV8エンジンを積む2+2シーターで、リトラクタブル・ハードトップを備えるという点でカリフォルニアTとポルトフィーノは共通。しかし、ポルトフィーノではそのコンバーチブルルーフが刷新されたほか、ボディー構成を完全に見直すなどした結果、カリフォルニアTに比べて80kgもの軽量化を達成。さらにエンジンの最高出力を40ps引き上げることで0-200km/h加速のタイムをコンマ4秒短縮することに成功するなど、フルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい大改良が実施されている。
さて、そんなポルトフィーノに乗って谷口はどんな印象を抱いたのか? まずは運転席から降り立った直後の感想を尋ねてみることにした。すると谷口、「えーと、いい話と悪い話、どっちを聞きたいですか?」と口にしたのである。うーむ。どうやら谷口は語り手としてもかなり腕を上げたようだ。
そこで私が「では、いいほうから」と促すと、谷口はこんな風に語り始めたのである。
「あのね、いつものフェラーリより不安感が少ないと思いました」
この連載を読み続けてくださっている読者諸氏はよくご存じのとおり、谷口はフェラーリに対してある種の不安感を抱いている。それは、少し大げさにいえば「恐怖感」と表現してもいいものだった。
レーシングドライバーとしても、そしてドリフトドライバーとしても数々の栄冠を勝ち取ってきたほど腕利きの谷口なのに、なぜかフェラーリのコーナリングにはすぐになじむことができず、「いやあ、いますぐは無理だけれど、なんとかしてこのフェラーリを買って、いつか乗りこなせるようになりたいですねえ」とコメントするのが常だった。そして、前作カリフォルニアTでは、この不安感をとりわけ強く抱いているように私には感じられたのである。
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