メルセデスAMG G63(後編)
2018.12.06 谷口信輝の新車試乗 最高出力585psのハイパフォーマンスSUV「メルセデスAMG G63」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。旧型には難色を示した谷口が、2代目となる新型に対して好印象を抱いたのはなぜなのか……?ポイントは「インフォメーション」
新型メルセデスAMG G63に試乗してステアリングのレスポンスやリニアリティーに称賛の言葉を贈った谷口信輝。これまで激しく糾弾していた旧型とは180度異なる評価だが、これにはステアリングからもたらされるインフォメーションが豊かになったことも大いに関係していたようである。
「前編でも言いましたが、旧型の足まわりは、まるで途中にいくつも豆腐が入っているみたいで、ここで大切なロードインフォメーションが遮断されていました。オフロード走行に伴うショックを吸収するには必要だったのでしょうが、クルマとの会話をなにより大切にする僕には、これがガマンできなかった。」
「ところが新型は、豆腐じゃなくてブッシュを使っている。もちろん、豆腐というのは『なにか柔らかいもの』を指す比喩ですよ。でも、僕にはそんな風に感じられたんです。一方、ちゃんとしたブッシュを使った新型ではロードインフォメーションがしっかりと伝わってくる。だからクルマとの会話が楽しめる。これが僕にはとても大切なんです。おかげで、いままでは完全に圏外な存在だったGクラスが、新型になった途端、もうバリバリ4本アンテナが立っている状態になった(笑)。本当にこれ、フツーのクルマになりましたね。いや、本当にいい意味で……」
あまりにハンドリングの感触がよかったために、気をよくした谷口は限界近いコーナリングまで試すようになった。
「お、意外とスタビリティーコントロールの介入は遅めですね。ちょっとタイヤが滑り始めるくらいのところまで許してくれる。少しだけタイヤを滑らせる走り方は、オフロードでトラクションを確保するにも重要なのかもしれませんね」
やがて谷口はこんな指摘をした。
「このクルマって、ドライバーの視点が高いですね。なんか、周囲を見下ろしている感じ。外から見たときはあんまり感じなかったんですが、運転席に腰掛けるとまるでバスに乗っているみたいですね」
ただし、それを短所とは谷口は思っていない様子だった。
「不満じゃありませんよ。むしろ楽しい。大きいクルマに乗っているというわくわく感がありますね。街を走っているときも、自分の前の前のクルマまで見えるから、きっと楽じゃないですか」
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