ホンダNSX(4WD/9AT)
神チェンジ!! 2018.12.07 試乗記 デビュー以来初めて仕様が変更された、ホンダの“ハイブリッドスーパースポーツ”「NSX」。ワインディングロードで乗った最新型は、特別な高性能バージョンとして売り出してもいいと思えるほどに変貌を遂げていた。味つけ役がバトンタッチ
箱根の三国峠で新型NSXを撮影していると、カメラを持った観光客が集まってきた。雪化粧した富士山バックの白いスーパーカー。そりゃあ撮りたくなる。しかもNSXだ。ぼくだって、試乗車以外の2代目NSXにはまだ一度も路上でお目にかかったことがない。
米国オハイオ州の専用工場でつくられるNSX。2016年8月に国内デビューしてからの受注台数は約400台。年間100台という販売目標の倍近いわけだから「売れている」と言っていいのだが、トータルでもまだ2000台しか世界に出回っていない。そのレアスーパースポーツが2019年モデルで初めてマイナーチェンジした。
まず大きな変化は、開発責任者にあたるLPL(ラージプロジェクトリーダー)が米国ホンダのアメリカ人から栃木研究所の日本人に変わったこと。オリジナルモデル開発時の分担は、シャシーとボディーがアメリカ、パワートレインが日本といわれていたが、今回、シャシーの味つけはすべて日本側が行っている。
といっても、カタログスペックを変えるような変更はない。モーターと組み合わせた縦置き3.5リッターV6ツインターボで後輪を回し、左右前輪を2基のモーターでそれぞれ駆動する。2代目NSXのハイライトである3モーターハイブリッドも、ハードウエアに変更はない。「操る喜びを進化させる」「クルマとの一体感のさらなる向上」。そのためにパワートレインと足まわりにブラッシュアップを施したという。120円までの円安ならこの価格でいけるという、2年前に聞いた説明どおり、2370万円の価格は据え置きである。
水上 聡LPLによる試乗前の技術説明会は正味12分で終わった。正直言って、マイナーチェンジにしても控えめというか、ニュースに欠けるなあ。そう思いながら、150分の試乗に臨むと、あに図らんや、新型は“激変”と言っていいくらいの変化を遂げていた。
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