BMW M8コンペティション(4WD/8AT)/M8カブリオレ コンペティション(4WD/8AT)
弩級のラグジュアリーカー 2019.10.14 試乗記 20年ぶりに復活したBMWの最上級スペシャルティーモデルをベースに、BMW M社がさらなるパフォーマンスアップの手を加えた「M8」。600PS級の4.4リッターV8ツインターボを搭載したニューモデルの出来栄えを、ポルトガルのアルガルヴェから報告する。最上級モデルの最速バージョン
「BMW 8シリーズ」はその車格やデザイン、そして車名などから察するに、ラグジュアリークーペ/カブリオレの最高峰として企画されたように思われがちだ。が、実際はその豊かなプロポーションをスピードの側に生かしたスポーツモデルの最高峰という一面を併せ持つことは、並行開発されたであろうGTEカテゴリーのレーシングカーが証明している。とあらば、このM8がラインナップに加わるべくして用意されたものであることも想像に難くない。
その開発から生産に至るまで、純然たるMブランドのプロセスを経たM8は、クーペとカブリオレのボディーバリエーションが用意され、おのおのに標準車と「コンペティション」の2グレードが設定される。本国では第3のボディーバリエーションとなる「M8グランクーペ」も発表されており、すでにM8のラインナップは完成をみている。
M8に搭載されるエンジンは、バンク内にタービンを2基並べる4.4リッター直噴V8で、最高出力は600PS、最大トルクは750N・mを発生。これがコンペティションになると最大出力が625PSに向上、クーリング容量も強化されている。「S63」系のユニットの中では、最もホットなチューニングが施されたエンジンだ。
ドライブトレインはM xDrive=4駆を採用。Mモデルならではの制御として極力後輪側を駆動の主体としており、必要に応じて前輪に駆動を配分するロジックを採用している。加えて後左右輪間の差動も「アクティブMディファレンシャル」によって電子制御されており、ドライブモードに応じた自在な駆動配分を実現した。また、ドライブモードの設定次第ではDSCの介入が限定的になるようしつけられており、ドリフトアングルを保ったコーナリングも積極的に楽しめる。組み合わされるトランスミッションはZFの8段ATをベースとする「Mステップトロニック」。トルコン式ATの柔軟性はそのままに、変速スピードやダイレクトな駆動感など、M8のパフォーマンスに合わせてスポーティネスを高めているというわけだ。
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