【FUTURE EXPOの歩き方】“燃料電池”と“宇宙”を通して未来を味わう
2019.10.24 自動車ニュース![]() |
今回の東京モーターショーで併催される、未来の技術やサービスをテーマとした体験型展示イベント「FUTURE EXPO」。技術ジャーナリストの林 愛子がまず注目したのは、壮大な未来を感じさせる、宇宙や次世代エネルギーにまつわる展示だった。
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難しい水素の話で加熱した頭を、ガンダムでクールダウン
さまざまな未来の生活を描くMEGA WEB会場の「FUTURE EXPO」。2階の水素エネルギーや宇宙に関するコーナーには、2020年末発売予定の燃料電池車(FCV)「トヨタ・ミライ コンセプト」が展示されている。FCVは電気自動車と違って航続距離の心配がないのだが、水素を補給するステーションが少ないことが課題。しかし、これはニワトリとタマゴの関係で、FCVの台数が増えれば水素ステーションも増やせる。現行型よりも洗練されたスタイリングになりそうな新型ミライ。会場でぜひその姿を見てみてほしい。
ところで、このクルマの動力源となる水素はどうやって調達するのか。興味深いのは、次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合の提案する有機ケミカルハイドライド法だ。想定する原材料はブルネイの天然ガスで、水素を取り出してトルエンと結合させメチルシクロヘキサン(MCH)にする。これにより常温常圧で水素を輸送できるようになる。つまり、石油と同じように輸送や保管ができるのだ。日本に持ってきたMCHは専用施設で水素とトルエンに分け、水素はエネルギーとして使用し、トルエンはブルネイに戻して再利用する。モックアップではエネルギーの流れが分かりやすく表現されているので参考にしてみてほしい。
「そういう難しい話はちょっと……」という方もご安心を。会場中央の黄色いステージの上には宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによる月面用モビリティー「有人与圧ローバ」関連の展示があり、国産ロケットや人工衛星、ローバの使用シーンをイメージした模型などに、無条件にワクワクさせられる。ブリヂストンが展示するローバ用タイヤのモックアップも迫力満点で、重力が地球の6分の1という月の上を駆け抜ける姿を想像するのも楽しい。
ステージ奥の壁面にはコンセプトムービーが流れる大画面があり、その両サイドをTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「ガンダム」と「シャア専用ザク」の巨大フィギュアが固める。モニターの前にはこれまた巨大なクッションがあるので、ここで宇宙感に浸りつつまったりするのもよさそう。
(文=林 愛子/写真=林 愛子、webCG/編集=堀田剛資)
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