ベントレー・フライングスパー(4WD/8AT)
想定外のファン・トゥ・ドライブ 2019.11.01 試乗記 ベントレーの4ドアサルーン「フライングスパー」がフルモデルチェンジ。豪華なグランドツアラーでありながら“スポーツセダン”を名乗る新型は、そのうたい文句では伝え切れないほどの楽しさを味わわせてくれた。「コンチネンタルGT」とは全然違う
2019年10月半ばよりカスタマー向けの生産も始まった、新型フライングスパー。日本市場へは2020年の春か夏ごろに上陸予定という。いち早くモナコでのテストドライブがかなったので報告しよう。
第2世代となったフライングスパー。主なコンセプトは変わっていない。「コンチネンタルGT」と多くのメカニカルパートを共有する4ドアの大型高級スポーツサルーンである。
けれども、試乗後の感想はというと、そんなイージーな記述をした自分があとから恥ずかしく思えるほどに衝撃的、というものだった。コンチネンタルGTとはまるで違うライドテイストがあって、しかも総合的にみてフライングスパーのほうが勝るという評価をスポーツカー好きのライターがくだしてしまうほどに……。
そもそもエクステリアデザインからして、もはやコンチネンタルGTの姉妹であるとはほとんど思えない。特徴的な丸目4灯のデザインがあるから、辛うじてその共通性を見いだすことができるわけだけれども、それ以外はもはや全く異なっている。“コンチネンタルGTベースの4ドア版”などという枠組みにはおさまりきらない。
そして、肝心のライドテイストが全く異なる。コンチネンタルGTを国内外でじっくり経験している筆者であっても、まるで違うモデルのテストドライブに立ち会ったという印象のほうが先に立ったのだから。