第608回:鈴鹿で新たな最強伝説始まる!? 密着「メガーヌR.S.トロフィーR」のタイムアタック

2019.12.03 エディターから一言
鈴鹿でタイムアタックに臨んだ、ルノー・スポールの関係者。それに先駆け、2019年2月にもテスト走行を実施した。
鈴鹿でタイムアタックに臨んだ、ルノー・スポールの関係者。それに先駆け、2019年2月にもテスト走行を実施した。拡大

2019年7月にデビューした、ルノーの高性能ハッチバック「メガーヌR.S.トロフィーR」。日本導入に先駆けて、鈴鹿サーキットでタイムアタックに挑んだのはなぜなのか? 開発陣のねらいと、ニューマシンの到達点についてリポートする。

鈴鹿のメインストレートを駆け抜ける新型「メガーヌR.S.トロフィーR」。5年ぶりの挑戦で、先代の持つ記録を3秒短縮してみせた。
鈴鹿のメインストレートを駆け抜ける新型「メガーヌR.S.トロフィーR」。5年ぶりの挑戦で、先代の持つ記録を3秒短縮してみせた。拡大
タイム計測前、ピット前でたたずむ「メガーヌR.S.トロフィーR」。今回のタイムアタックには、2020年に国内で発売されるのと同じ市販車両が用いられた。
タイム計測前、ピット前でたたずむ「メガーヌR.S.トロフィーR」。今回のタイムアタックには、2020年に国内で発売されるのと同じ市販車両が用いられた。拡大
右ハンドルの日本仕様車であることは、ドライバーのウルゴン氏にとってはやや不利。初回のアタックではMTのシフトミスを悔やむ場面も見られた。
右ハンドルの日本仕様車であることは、ドライバーのウルゴン氏にとってはやや不利。初回のアタックではMTのシフトミスを悔やむ場面も見られた。拡大
ルノー・スポールのエース・テストドライバー、ロラン・ウルゴン氏。2019年4月5日には、ドイツ・ニュルブルクリンクで「メガーヌR.S.トロフィーR」を駆り、FF市販車の最速タイムを記録している。
ルノー・スポールのエース・テストドライバー、ロラン・ウルゴン氏。2019年4月5日には、ドイツ・ニュルブルクリンクで「メガーヌR.S.トロフィーR」を駆り、FF市販車の最速タイムを記録している。拡大
後席を取り外し、赤いサブフレームを装着した室内。これにより25.3kgの軽量化を実現した。結果的に、コーナリング中の挙動はややオーバーステア気味になっているという。
後席を取り外し、赤いサブフレームを装着した室内。これにより25.3kgの軽量化を実現した。結果的に、コーナリング中の挙動はややオーバーステア気味になっているという。拡大

ニュルだけじゃ満たせない

2分25秒454――

ピットの計時モニターにタイムが表示されると、周囲からどよめきが起こった。

2019年11月26日、三重・鈴鹿サーキットで、新型ルノー・メガーヌR.S.トロフィーRのタイムアタックが実施された。先代モデルを使って行われた前回は2014年11月だから、それからはちょうど5年。当時の2分28秒465という記録を、新型は3秒以上縮めたことになる。

このメガーヌR.S.トロフィーRが、ドイツ・ニュルブルクリンクで“FF車最速”のタイトルホルダーであることは、多くの自動車ファンが知るところ。でもなぜ鈴鹿にこだわるのかといえば、「ルノー・スポールにとって日本市場は極めて大事だから」なのだそうだ。

聞けばわが国はいま、ルノー・スポールが開発を手がける高性能モデルのセールスで母国フランスやドイツをもしのぎ(2019年9月末時点)、「メガーヌR.S.」に限っても世界3位のマーケットになっている。その日本の熱烈なファンのためにも、鈴鹿のコースでクルマを鍛え、日本に合ったクルマづくりの要素を盛り込むのは大事、というのが理由だ。「サーキットなんて、基本はどこもいっしょでしょ?」と言うなかれ。路面の摩擦抵抗が高く、カーブの多い鈴鹿のコースから得られるものは多く、その道を攻略できるような車両セッティングを施すことは、サーキットを走る機会の多い“R.S.オーナー”の期待に応えることにつながるのだ。

そんなメガーヌR.S.トロフィーRのステアリングを握るのは、前回と同様、“ルノー・スポールのトップガン”ロラン・ウルゴン氏。アタックに使われるトロフィーRは2020年1月の国内デビューが予定されている市販車そのもの。つまり右ハンドル仕様車である。最高出力300PS、最大トルク400N・mのパフォーマンスは“R”が付かない「メガーヌR.S.トロフィー」と同じだが、足まわりには車高調節機構付き専用サスペンションと専用の大型ブレーキキャリパーを採用。「4コントロール」と呼ばれる4輪操舵システムを廃し、デュアルクラッチトランスミッション「EDC」を6段MTに変更、さらに後席を取り外し、防音材を省き、リアサイドガラスとリアガラスを板厚の薄いものに替え、ボンネットの構成パーツをカーボン化するなどして、なんと130kgものダイエットに成功している。

今回のクルマは、さらに超軽量カーボンホイールとカーボンセラミックブレーキディスク(フロントのみ)をセットオプションとして備える、世界限定500台のトロフィーRの中でも30台しかつくられない、ハードコアな限定モデルである。

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