第175回:不要不急の妄想
2020.05.12 カーマニア人間国宝への道「ヤリスクロス」に好印象
緊急事態宣言下、新型車は出ず、広報車の貸し出しもほぼ止まり、自分の仕事に対する不要不急感も高いため、クルマに乗ってああだこうだという記事がなかなか作りづらくなっておりますが、こんな状況でもああだこうだ言えるのがデザインだ。
前回は、新型「ヤリス」のエクステリアが「毒虫のぬいぐるみ」っぽくて、どんだけ走りにほれ込んでも愛車にするのはムリ! ということを書いたが、そのSUV版「ヤリスクロス」の写真を見てビックリ。
まるで違うやないけ! これがホントにヤリスの派生モデル? 全然別のクルマに見えるけど!
考えてみれば、あるモデルをSUV化する場合、「インプレッサ」と「XV」の関係のように、「車高を上げてオーバーフェンダーを付けました」的な場合もあるが、近年は、ベースモデルのイメージを残しつつ、外装の共通部品はあんまりナシ、というのが多い。ヤリスクラスで言うと、「シトロエンC3」と「C3エアクロスSUV」や、「フォルクスワーゲン・ポロ」と「Tクロス」などの関係がそれに当たる。
共通部品があんまりないのなら、デザインイメージからガラッと変えてしまっても、コスト的には大差ないのだろう。
とにかくヤリスクロスのエクステリアは、ヤリスとは印象がまるで違う。ここまで違うと、「ヤリスのアイデンティティーって何?」という気もしてくるが、そんなことより大事なのは、そのデザインがいいか悪いか、あるいは好きか嫌いかだ。自分が買うのはどっちか1台だけなのですから。
で、私は思った。「このデザイン、好き!」って。これだったらまったく違和感ナシ! ごくフツーにカッコいいです!

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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