トライアンフ・スクランブラー1200XC(MR/6MT)
気になるアイツ 2020.12.03 試乗記 今はやりの“ビッグオフ”の中でも、ライバルとは一味違った魅力を放つ「トライアンフ・スクランブラー1200XC」。1.2リッターのバーチカルツインを搭載した英国製オフローダーは、クラシックな趣と、オフロードでの確かなパフォーマンスを併せ持つ一台に仕立てられていた。“カッコだけ”のモデルにあらず
ここ最近、大排気量のアドベンチャーモデルが人気だ。各メーカーがいろいろなモデルを投入している。しかしトライアンフ・スクランブラー1200は、そうしたライバルたちとは方向性がずいぶん違う。クラシカルなスタイルだし、リアサスペンションにはコンベンショナルな2本ショックを採用しているのだ。
こう書くと雰囲気を重視したストリートモデルのように感じてしまうかもしれないが、スクランブラー1200はオフの性能も素晴らしい。先日、このマシンに試乗した某エンデューロライダーが、その性能に感心していたほどなのである。
エンジンはとても元気がいい。低中速から1200ccらしい力強さとはじけるようなパンチがあり、3000rpmも回っていたら、かなり強烈な加速をする。レッドゾーンは7000rpmからと低いけれど、そこまでは全域トルクバンドという感じだ。ハイパーツインのように狂った加速はしないけれども、ストリートでは十分すぎるぐらいパワーがある。マネジメントもよくできていて、ライディングモードを「ロード」にセットして走っていると、スロットルを開けたときのドンツキもない。右グリップのひねり方ひとつで、自由自在にマシンを操ることができる。
前後サスの出来もかなりいい。動きもスムーズだしダンピングも効いている。オフを想定してストロークは多めに確保されているが、オンロードでハードにブレーキングしても、極端にノーズダイブしたりしない。
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