フェラーリ・ローマ(後編)
2020.12.31 谷口信輝の新車試乗 フェラーリの新型2+2クーペ「ローマ」の走りを、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか? 後編では、走行モードによる挙動の変化やV8ターボエンジンの特性などについてもリポートする。注意すべき点もある
フェラーリ・ローマに箱根のワインディングロードで試乗して、そのハードコーナリング中のフォームに対して鋭い指摘をした谷口信輝。しつこいようだが、谷口が指摘したのは限界的なコーナリング時の挙動に関する話であって、その手前の状況については「これまでのフェラーリに比べてだいぶ落ち着いている」とか「ステアリングフィールは全然よくなっている」といったポジティブなコメントも数多く発していることをお忘れなく。
「いや、乗り心地がいいから、普段遣いには相当いいと思いますよ」と谷口。
「あと、ものすごくいいのはギアボックスですね」
さすが谷口、お目が高い。ローマに搭載されている8段DCTは、2019年に発表された「フェラーリSF90ストラダーレ」に搭載されているものと基本的に同じで、デュアルクラッチのレイアウトを同軸ではなく直列的にレイアウトすることで薄型化や低重心化を実現した最新ギアボックスなのである。
「シフトアップもシフトダウンもめちゃくちゃレスポンスがいいんですよね。だから、ものすごく楽しい」
シフトが素早いのもさることながら、前編で谷口が指摘した“振り子現象”が起きにくいのも、トランスアクスル方式を採用するローマが新型ギアボックスによってさらに低重心化され、より安定したコーナリングフォームの実現につながったからという可能性がある。
「あと、ドライビングモード切り替えでスポーツの次にレースがあるじゃないですか。あれは、ちょっとやばいですよ」
ローマにもステアリング上にマネッティーノを切り替えるダイヤル式スイッチが設けられているが、一般道での乗り心地を重視したローマの場合はコンフォートというモードがあり、その先にスポーツ、レース、ESCオフと用意されているのだが、このうちのレースまで谷口は試したらしい。
「レースにすると、トラクションコントロールの介入がかなり遅くなるんです。だから、かなりの腕利きじゃないと、ホイールスピンさせてそのままテールがスライドしてクラッシュさせちゃう恐れがありますよね」
それはなかなか硬派な設定だが、普段遣いを優先しているはずのローマでさえテールスライドできる余地を残しておくあたり、いかにもフェラーリらしいともいえる。
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