トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”(後編)
2021.05.20 谷口信輝の新車試乗 2020年9月の発売以来、クルマ好きの視線を集めてきた「トヨタGRヤリス」。その走りにおいて、真に評価すべきポイントとは何か? あまたの高性能モデルを知るレーシングドライバー谷口信輝は、こう考える。極めて例外的なトヨタ車
「GRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”」を箱根のワインディングロードで走らせながら、「ターゲット層を絞ったから、ここまで硬い足まわりにできた」と語った谷口信輝は、そのサスペンションについて「社外品のダンパーとかスプリングとかが最初っから入っているくらいの硬さ」と表現。さらに「これまでに3台が登場したGR専用モデルのなかでも、これはGRヤリスだけの特徴だと思います」と指摘してみせた。GRヤリスにあって、同じGR専用モデルである「86」や「スープラ」にないものとは何なのか。谷口に解説してもらった。
「スープラって、やっぱり走りの味のなかでBMWが占める割合がかなり大きいと思うんですよ。で、86はいかにもトヨタ的だけれど、足まわりにはわざとチューニングする余地を残してあって、『どうぞ、お好きにいじってください』と言われているような気になっちゃう。ところがGRヤリスは、何も手を加えなくても十分に走りが楽しめる仕上がりになっている。これはGR3兄弟のなかでも、GRヤリスだけの特徴だと思います」
つまり、GRヤリスはそれだけ完成度が高いということ。これまで多くのスポーツモデルに対して改良の余地があることを指摘してきた谷口にしてみれば、これはGRヤリスをかなり高く評価している表れとみて間違いないだろう。
「エンジンもノーマルのままで十分パワフルですよね。この加速感、普通の人にしたらなかなか刺激的だと思いますよ。かなりのパンチです」
そう言うと、谷口はGRヤリスでコーナーを攻めていった。
「電子制御系も賢いですよね。例えばハードコーナリング中にギャップに乗り上げても、トラクションコントロールの介入は最小限で、必要以上に長く利き続けたりはしない。この辺は、明らかにほかのトヨタ車とは異なっていますよね」
続いて谷口は、GRヤリスに用いられたテクノロジーのなかでもとりわけ特徴的なアクティブトルクスプリット4WDシステムについて語り始めた。
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