テスラ・モデル3パフォーマンス(後編)

2021.06.06 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「テスラ・モデル3」に試乗。前編で「足まわりに奥深さを感じない」と語った一方で、テスラはそこを重視していないのではないかとも指摘する山野。果たしてその言葉の真意とは!?

すべてがニュートラル

モデル3は、新興電気自動車(BEV)メーカーにして、いまや最大手に成長したテスラが、本格的なBEV普及を目指して市場に放った野心作である。前後それぞれにモーターを備えた「パフォーマンス」バージョンが俎上(そじょう)に載った。

あいにくの雨であり、路面は完全なウエット。それでもフルフラットでの加速時に、タイヤを暴れされる気配すらみせないインテリジェントな制御が施されたモデル3。しかし、その足まわりに関しては「奥深さを感じない」と山野は指摘する。

山野:いいサスペンションを持ったクルマというのは、どこまでも奥があるのです。タイヤがどこまでもグリップし続ける……というイメージをドライバーに与えてくれます。

webCG:デキが悪いと、突然スポッと抜けてしまう?

山野:そうです。その場合「あ、もう限界だね」とドライバーはすぐに察知できる。一方、例えば優れた欧州車、ポルシェなどはその典型といえますが、奥の奥の、さらに奥がある。モデル3の場合は、比較的早い段階で限界が見極められます。

運転技量が一般的なユーザーの場合、限界が早く分かったほうがいいような気がするが、ニッポンのジムカーナマイスターにして、スーパーGT選手権のチャンピオンにも輝いたプロフェッショナルレーシングドライバーが口にしているのは、そうしたレベルの低いハナシではない。優れたサスペンションがもたらす、いわば究極のハンドリングについて語っているのだ。

 
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