第708回:【Movie】好調プジョーの販売最前線を直撃 吠えるライオンの次なる獲物とは!?
2021.06.03 マッキナ あらモーダ!プジョー208が欧州販売ナンバーワンに
ここ1年ほどのイタリアの路上で目立っているのは、プジョーの最新モデルである。オレンジやイエロー、そしてブルーといったビビッドな車体色とともに、大胆な縦長のLEDポジショニングランプがいやが応でも目に入る。
データを確認してそれが“体感値”だけではないことがわかった。
イタリア国内における2020年のブランド別乗用車販売台数で、プジョーは8万1626台。フィアット、フォルクスワーゲン、フォード、ルノーに次ぐ5位に君臨している。市場占有率は5.9%を記録した。ちなみに商用車も好調で、7.2%のシェアを確保(データ参照:UNRAE)。
プジョーのイタリア法人は、車種体系の充実とイタリア人顧客のニーズに合わせた政策が奏功したと分析している。
最新情報を見てさらに驚いた。2021年の欧州27カ国乗用車新車登録台数で、2月と4月の1位は何と「プジョー208」である(データ参照:JATOアナリティクス)。加えて、4月の2位には「プジョー2008」がランクインしている。
これを機会に、筆者が住む中部シエナ県の販売代理店を訪ねてみることにした。県内3都市でプジョーと、同じステランティス系ブランドであるオペルのショールームを展開するシエナ・モトーリである。
迎えてくれたのは、第676回に登場したジャコモ・ピエリーニさんである。前回はオペル販売店の営業担当として応対してくれたが、少し前の配置替えにより、新入社員として最初に配属されたプジョー販売店に戻った。
動画では触れていないが、個人向け長期リースプランといった新しい選択肢や、定期点検キャンペーンといったアフターサービスなど、顧客への提案は多岐にわたる。
ちなみに後者の2021年6月までのキャンペーン基本料金は、プジョー/オペルとも登録2年以内が180ユーロ(約2万4000円)、3年以上は120ユーロ(約1万6000円)だ。
日本で言う納車式では、オーナーがボディーカバーをとる瞬間の場面を撮影。それをSNSにアップしている。
電動化車両とスポーツバージョンを武器に、そのジャコモさんが次に狙うのはイタリアで難航不落のあのブランドたちだ。
というわけで、イタリアの販売店をふらっと訪れた感覚で、お楽しみいただこう。
【イタリアにおけるプジョー好調の秘密 】
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/動画=大矢麻里<Mari OYA>/編集=藤沢 勝)

大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
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