アウディRS Q8(前編)

2021.07.08 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 「アウディQ8」の高性能バージョン「RS Q8」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。見た目もたくましいクーペSUVのコックピットにおさまったプロは、その操作系や乗り心地から印象を語り始めた。

まさにモンスター

排気量4リッターのV8ツインターボエンジンが生み出す最高出力は600PSで、最大トルクはなんと800N・m! これをアウディ秘伝のフルタイム4WDシステム“クワトロ”を介して路面に伝達するのだが、そのタイヤ径は驚くべきことに23インチである。さらにRSアダプティブエアサスペンションと呼ばれる足まわりには4輪操舵システムを装備。加えてエンジンには48Vマイルドハイブリッドシステムが組み合わされるほか、燃費低減に役立つシリンダー・オン・デマンド機構まで搭載するという。アウディのフラッグシップSUVであるRS Q8は、まさにアウディの最新テクノロジーを網羅したと言っても過言ではない内容だ。この結果、あのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは7分42秒253というベストラップをマークし、世界最速SUVの座を手に入れたという、まさにモンスター級のSUVである。

そんなRS Q8と出会った谷口信輝が、まず関心を抱いたのが23インチタイヤだった。
「4輪とも295/35ZR23なんですね。それにしても23インチって、ほとんど自転車用タイヤ並みの大きさですね。これだけタイヤが大きいと、これに合うスタッドレスタイヤがあるかどうかが、ちょっと心配になっちゃいます」

この段階ではRS Q8にやや懐疑的な思いを抱いているようにも見えた谷口だったが、続いて運転席に腰掛けると、こんなことを語り始めたのである。
「このクルマ、最近のハイパフォーマンスカーにしてはステアリングのスポークが細めですね。おかげでステアリングの向こう側にあるメーターパネルの視認性がいい。特に、操舵したときに太いスポークで計器類が見えなくなっちゃうモデルが少なくないなか、RS Q8のステアリングは“スケスケ”なので表示類が蹴られることもない。これは結構、大切なことだと思いますよ」

 
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