第215回:遥かなる『宇宙戦艦ヤマト』

2021.09.13 カーマニア人間国宝への道

タイトルを見てブッ飛んだ

「ホンダNSX」の生産が終了するという。なんと申し上げればよいか。本能寺の信長のごとく「是非に及ばず」と思うのみである。

NSXの生産終了は、大衆車ブランドによるスーパーカーへの進出に、ピリオドを打つものになるだろう。「じゃ新型『コルベット』はどうなんですか!?」とwebCGのほった君に突っ込まれそうだが、あれが最後の最後でしょうか……。カーガイたるもの、スーパーカーをつくる夢は、簡単には諦められないのですね!

が、現実は厳しい。トヨタは「レクサスLFA」で諦めた。ホンダは2代目NSXで未練を断ち切った。今後はもう、スーパーカーをつくろうという大衆車ブランドは現れまい。日本勢はもちろん、中国勢も韓国勢も、スーパーカーには手を出さないだろう。

私が今持っている「フェラーリ328」や「ランボルギーニ・カウンタック」は、工芸品(民芸品?)みたいなものだけど、現在のスーパーカーはブランド宝飾品だ。そういう世界に、性能や価格や乗りやすさみたいな大衆車的な価値観で切り込んでも、扉は開かない。

かくいう私は、2代目NSXの初試乗の時、どんなふうに書いたのか? すっかり忘れてしまったので、自分が某誌に書いた原稿を読み返してみた。

タイトルを見て、われながらブッ飛んだ。

「新型NSXはボンクラのスーパーカー」

ヒ、ヒドイ! いくらなんでも言い過ぎだろ!

2016年8月に日本で発表された2代目「ホンダNSX」。当時、実に11年ぶりにその名が復活したのであった。米オハイオ州の「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」が車両の組み立てを担当し、北米ではアキュラブランドで販売されている。
2016年8月に日本で発表された2代目「ホンダNSX」。当時、実に11年ぶりにその名が復活したのであった。米オハイオ州の「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター」が車両の組み立てを担当し、北米ではアキュラブランドで販売されている。拡大
2代目「NSX」の最終モデル「タイプS」。ホンダ初のマットカラーとなる「カーボンマットグレー・メタリック」をまとったモデル(写真)は、10台限定で販売される。
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「NSXタイプS」のエンジンルームには、シリアルナンバー入りのプレートが備わる。販売台数はグローバルで350台、日本向けは30台の限定で、2022年7月の発売が予定されている。
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清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

ホンダ NSX の中古車
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