第228回:ワンタンク1000kmの夢
2022.03.21 カーマニア人間国宝への道日本のアウトバーンを疾走
ロングドライブはカーマニアのロマン。そのためにわが家には、エリート特急こと先代「BMW 320d」がある! 今回は重要なお仕事があり、エリート特急で奈良・京都へと向かった。
ロングドライブでは、燃費の好記録が出るのもウレシイ。燃費計の数字がイイと、それだけでとっても達成感がある。クリーンディーゼルのエリート特急は、ロングドライブの超優等生なのだ。
付け加えると、ワンタンク(1回の満タン)で何km走れるかというのも、マニア的な達成目標ではないだろうか!
エリート特急の燃料タンクは57リッター。20km/リッター走れば、航続距離は1000kmを超える。実は満タンにするたびに、航続距離1000kmオーバーの数字が表示されるんだけど、給油タイミングの問題で、まだ達成したことはありません。今回はどうだろうか。
というわけでエリート特急は、東名から新東名に乗り入れ、一路西へ向かった。
御殿場JCTから新東名に入ると間もなく、延長145kmにわたる最高速度120km/h区間になる。これぞエリート特急のための道である。
この区間は2020年12月に、全線3車線化が完成している。その直後に走行した際は、「まさに日本のアウトバーンの出現だ!」とコーフンしたが、今回もコーフンしました! 本当にアウトバーンみたいなんで……。3車線なので交通量にも余裕があって、そのあたりもアウトバーンに近い雰囲気。大型トラックも一番右側の車線にはめったに出てこない。だから、ほぼほぼ120km/hをキープして走れてしまう!
まさか自分が生きてる間に、日本にアウトバーンができるなんてなぁ。いやもちろんアウトバーンみたいに速度無制限じゃないけれど、そこまでゼイタクは言いません!
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規制時の制限速度はマジの制限速度?
などと感涙にむせんでいたら、工事による車線規制区間に差し掛かった。制限速度は……50km/h!? マジかよ!?
いや、高速道路での50km/h制限、よくありますよね。雨が降ってるだけでも50km/hになったりします。ただ、突然120km/hから50km/hに落ちると、落差のデカさにビビる。
しかも周囲のクルマは、まったく速度を落とさない。まるでほとんどそのまんま! イメージ的には走行車線95km/h、追い越し車線115km/hくらいで流れている。この状態でオレだけ50km/hに落としたら死人が出る!
私は自分の命と相手の命を優先し、涙を飲んでクルマの流れに従って走り続けました。
で、ふと思った。この50km/hって、本当に制限速度なんだろうか? 推奨速度とか努力目標とかそういうのだったりしないのか?
それについて静岡県警に聞いてみたところ、「制限速度です」。制限速度を守らせる努力はしているのだろうか……。
「パトカーは緊急時以外、50km/hで走行し、速度違反のクルマを発見すれば摘発します」とのことなので、パトカーが走っていれば、みんなその後についておとなしく50km/hで走るのでしょう。静岡県警としては、「工事区間には作業員もおりますので、人命優先で50km/h規制を実施しています。守っていただきたい」と、かなりソフトな言い方をされていた。
パトカーがいないときは、一般のクルマが1台だけ50km/hで走ると逆に人命が危ないので、人命優先で緊急避難的にクルマの流れに従って走ることが許される! 人命は地球より重い! ……という解釈はだめですか?
ワンタンク1000kmオーバーを達成
そんな調子でエリート特急は人命優先で突っ走った。新名神の亀山西JCT-大津JCT間でも3車線化工事が進んでいて、2022年度から順次3車線化される予定だ。制限速度もいずれ120km/hに引き上げられることでしょう。こちらも楽しみだネ!
関西での重要な仕事を済ませ、京都から名神に乗る段階で、残り航続距離は580kmとの表示だ。東京までは約480kmなので、今回はいよいよワンタンクでの関西往復にチャレンジしよう!
往路同様、エリート特急は快調に走行。途中、刈谷ハイウェイオアシスに立ち寄り、デラックストイレでオシッ〇を……と思ったが、デラックストイレは改修閉鎖中! 無念。でも、この春リニューアルが完成し、ますますデラックスになるらしいので、これまた楽しみだネ!
そのまま特段の出来事もなく、無事帰着。初めてワンタンク1000kmオーバーを達成しました! 1046kmです! しかもあと126km走行可能! やったー! エリート特急ありがとう! キミは本物のエリート特急だ!
思えばいままでも何度もチャンスはあったんだけど、SAPAのスタンドってバカ高いから、帰路、高速に乗る前につい給油してしまって、それでいままで実現できてなかったんだよね。SAPAのガソリン価格、なんとかならないもんか。
NEXCOに聞いても、「商品の価格については関与いたしておりません」としか答えてくれないけど、SAPAのスタンドってホントにガラッガラで、ますますスタンドの撤退が加速しそう。NEXCOは、高速道路の円滑な利用のために、なんらかの手を打つべきではないか? EV用急速充電器の充実とともに、日本の高速道路に残された課題のひとつですネ!
(文と写真=清水草一/編集=櫻井健一)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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