ポルシェ911 GT3(前編)

2022.10.27 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 500PSオーバーの自然吸気エンジンに戦闘的な空力パーツ。ポルシェが誇るハイパフォーマンスモデル「911 GT3」に、トヨタでスポーツカー開発にたずさわってきた多田哲哉さんは何を思う?
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重要なのは「目線」

911 GT3でひとしきり走った後、笑顔で降り立った多田さんは開口一番「またすごい高みにいってしまいましたね。それに、やっぱり乗り心地がいい」と評した。

ポルシェ911はスポーツカーだ。そんな911のなかでも、今回のGT3は極めてハードコアなモデルといってもいい。それなのに、多田さんは乗り心地がいいという。

「乗り心地のいい悪いは、アシの硬い柔らかいではありません。乗り心地とハンドリングをまるで相反するもののように言う人もいますが、それは定義が理解できていないか、そもそもの捉え方が間違っていると思います」

「ポイントはドライバーの目線です。クルマのジャンルに限らず、いいクルマというのは、クルマへの入力やピッチングやロールなどの姿勢変化に対して目線が動かないんです。逆に目線がふらふら動くと、人間はすごく運転しにくいですし、乗り心地も悪く感じてしまいます。いいことはひとつもありません」

そういえば、2カ月前にお送りした「フォルクスワーゲン・ポロ」の回でも、多田さんはポロの乗り心地を「目線が動かない」というポイントで高く評価していた。

「ハンドリングがいい。あるいは乗り心地がいい。それぞれ単独の定義は本来はないんです。とにかく目線の動かないクルマをつくれば、おのずと楽しく操れて、意思どおりに走れるクルマができます」

 
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