ルノー・メガーヌE-TECH EV60(FWD)【海外試乗記】
エースを目指せ 2022.11.15 アウトビルトジャパン ついに電動化! ルノーが「メガーヌ」を電気自動車(EV)に変身させる。この「ルノー・メガーヌE-TECHエレクトリック」は、「フォルクスワーゲンID.3」のライバルだ。われわれはこのフランス車に初試乗した。※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
「ID.3」を追撃せよ
少し時間がかかってしまった。2013年からフルEVの「ZOE(ゾエ)」があったものの、2019年にはフォルクスワーゲンID.3が登場しており、今回ルノーもそれに続き、ID.3に対抗すべくメガーヌE-TECHエレクトリックを発表した。同車はルノー・日産・三菱のまったく新しい「CMF-EV」プラットフォームをベースに、130PSと218PSの2種類の駆動バリエーションが用意されている。
またバッテリーは2種類あり、容量40kWhでは航続距離300km、60kWhでは450kmまで対応可能となっている。いずれもニッケルの含有量が多くコバルトの含有量が少ない、リチウムイオンNMC電池(ニッケルマンガンコバルト)を使用する。バージョンによって、7.4kW、22kW、最大130kWの直流での充電が可能だ。ルノーのデザイナーはフォルクスワーゲンよりも良い仕事をしたのか? それは当然ながら好みの問題だろうが、私たちの目には、電動メガーヌのほうがより興味深い外観とより刺激的なディテールを備えているように映る。
フロントでは、細いヘッドライトやZ型のLEDデイタイムランニングライト、バンパーのゴールドパネルが特徴だ。ウィンドウラインはクーペらしくリアまでフラットで、ドアハンドルはフロントがフラッシュ埋め込み式、リアはCピラーに隠れるように配置されている。リアには、連続した光の帯と、さらにはゴールドの色彩が施されている。コックピットには、計器用に12.3インチ、マルチメディア用に縦長の12インチという2つの大型スクリーンが装備されている。このシステムは「OpenR」と呼ばれ、Androidを搭載し、「ヘイ、グーグル」の声に反応して、多くの機能を制御することができるようになっている。そこにはGoogleマップ、Googleアシスタント、Google Playなどのサービスが含まれる。Apple CarPlayの搭載も可能だ。
フロントのスペースはまずまずだが、リアは状況が異なる。やや窮屈だ。メガーヌを買わない理由にまではならないだろうが、EVが上位のクラスの空間を提供するという“お約束”は、ここでは守られていない。トランク容量はID.3の385リッターに対し、440リッターという広さである。
「GTI」テイストの電動メガーヌ
今回試乗したメガーヌは、60kWhのバッテリーを搭載していた。そのため車重は1624kgと、比較的スリムになっている。電動モーターの218PSと相まって、「GTI」を思わせる軽快な走りを実現している。ルノーは0-100km/h加速7.4秒、最高速度は160km/hを約束している。
ライバルと同様に、ステアリングホイールのパドルで回生ブレーキの度合いを調整することができ、これが非常によく機能している。「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「インディビジュアル」という典型的な走行モードが用意されているが、多くの人はコンフォートにしておくと思うので、運転の楽しさはそれほど損なわれない。ステアリングは素早く、驚くほどダイレクトに反応する。
このクルマは2023年3月に発売され、注文は2月から可能となる。装備の詳細や価格もその際に公開される予定だ。価格はおそらく、容量58kWhのバッテリーを搭載し3万5460ユーロ(約515万円)からというフォルクスワーゲンID.3を意識したものになるだろう。
結論
新しい電動メガーヌのデザインも、その技術も気に入っている。適切な価格と適切な装備によって、このルノーはライバルであるフォルクスワーゲンID.3と肩を並べることができるだろう。
AUTO BILDテストスコア:2(スコアは1が最高)
(Text=Steve Fowler/Photos=Renault)
【スペック】
全長×全幅×全高=4.21×1.77×1.50m/ホイールベース=2.70m/荷室容量=440リッター/乾燥重量=1624kg/エンジン=電気同期モーター(最高出力218PS、最大トルク300N・m)/バッテリー容量=60kWh/最大充電電力=130kW/0-100km/h加速=7.4秒/最高速度=160km/h/航続距離=450km/電費=16.1kWh/100km/価格=未発表

AUTO BILD 編集部
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