アウディRS 3セダン(前編)

2023.02.16 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 過激なデザインとカラーをまとい、パワフルな5気筒エンジンを搭載するアウディの高性能モデル「RS 3セダン」。そのステアリングを握った多田哲哉さんは、車両開発のプロとしてどんなことを思ったか?

一線を越えちゃった!

アウディRS 3セダンから降り立った多田さんは開口一番「こんなことまでやっちゃうのか……というのが第一印象ですね」と語り出した。そして「エンジン車もいよいよ最後かという時代に、あのアウディがまるでチューニングショップに転身したみたいです」と笑う。

多田さんがこんなことを言うのは、このクルマ最大の特徴である、通称「ドリフトモード」を体験したからだ。

新型RS 3に備わる4WDシステムはこれまでのクワトロとはまったく異なり、左右後輪にそれぞれ独立した油圧多板クラッチを配置する。前記のドリフトモードも正確には「RSトルクリアモード」という名称で、同モードは、旋回時のアウト側後輪に最大100%(その時のイン側後輪は0%=完全フリー)という極端なトルク配分を可能としている。

同時に横滑り防止装置のESCも基本的にキャンセルとなるので、それこそアクセル操作だけで自在に振り回せるわけだ。

「普通のモードで走っていると、よくできた普通のスポーティーな4WDです。それにトルク配分の理屈からいって、技術的にこういうものもつくることができるのは、駆動システムのエンジニアなら誰もが知っています」

「でも、たいがいの自動車のメーカーはそこに踏み込まないわけですが、今回のアウディはそこをあえて乗り越えた感じですね。個人的には、こういうモードは、少なくともGPSを使った“サーキットモード”のようなものにしておくべきと思います」

 
アウディRS 3セダン(前編)の画像拡大
 
アウディRS 3セダン(前編)の画像拡大
 
アウディRS 3セダン(前編)の画像拡大
 
アウディRS 3セダン(前編)の画像拡大
関連記事
  • レクサスUX300e“バージョンL”(FWD)【試乗記】 2023.5.26 試乗記 レクサス初の電気自動車「UX300e」が、一充電走行距離を大幅に拡大する大規模な改良を受けた。2035年のBEV専業ブランド化に向けてニューモデルがどんどん登場することだろうが、やはり初号機へのケアは手厚い。高速道路を中心に300km余りをドライブした。
  • アウディS5スポーツバック(4WD/8AT) 2017.12.26 アウディA5/S5シリーズを体感する<PR> 「A5」シリーズでも性能は必要にして十分……。頭ではそう理解していても「S5スポーツバック」の魅力にはあらがえない。山道に差し掛かったら、アクセルをいつもより深く踏み込んでみるといい。“S”でなければならない理由が、すぐにわかるはずだ。
  • ランボルギーニ・ウルスS(4WD/8AT)【試乗記】 2023.6.3 試乗記 スーパーSUV「ウルス」が、マイナーチェンジを機に「S」と「ペルフォルマンテ」の2モデル体制に。今回は前者を連れ出し、ランボルギーニのビジネスを飛躍的に拡大させた立役者のセリングポイントについて、あらためて考えてみた。
  • 「アルファ・ロメオ・ステルヴィオ」のグリルやランプが新デザインに 限定車「ロッソ スペチアーレ」も登場 2023.5.29 自動車ニュース ステランティス ジャパンは2023年5月29日、アルファ・ロメオのSUV「ステルヴィオ」の一部仕様を変更し、同年6月3日に発売すると発表した。合わせて、サンルーフ付きの限定車「ロッソ スペチアーレ」も設定する。
  • 新デザインの「アルファ・ロメオ・ジュリア」上陸 20台の限定車も発売 2023.5.29 自動車ニュース ステランティス ジャパンは2023年5月29日、アルファ・ロメオのスポーツサルーン「ジュリア」の一部仕様を変更し、同年6月3日に発売すると発表した。合わせて、サンルーフ付きの限定車「ロッソ スペチアーレ」も設定する。
ホームへ戻る