アウディA8 L 60 TFSIクワトロ(後編)
2023.03.12 思考するドライバー 山野哲也の“目” レーシングドライバー山野哲也が「アウディA8 L」に試乗。前編ではその足まわりについて「ロールしない」と評した山野だが、ただフラットなだけではないという。気になるドライビング特性について聞いてみよう。グリップ力を最大限に引き出せる
今回、レーシングドライバーの山野哲也がテストしているのは、アウディのフラッグシップ「A8 L 60 TFSIクワトロ」だ。3000mmとただでさえ長いA8のホイールベースをさらに130mm延長し、同じく130mmロングな全長5320mmのセダンボディーを載せる。エンジンは、4リッターV8ターボ(最高出力460PS、最大トルク660N・m)。マイルドハイブリッドシステムを備え、もちろん4輪を駆動する。価格は1800万円。
同車をドライブした山野を驚かせたのは、オプションで装備された「アウディプレディクティブアクティブサスペンション」だった。カメラとレーザースキャナーで前方路面を先読みし、4輪のサスペンションを個々に機械的にコントロールして、直進のみならず、コーナリング時においてもできるだけ姿勢を保とうとする先進の足まわりである。山野はしかしこのサスペンションに、フラットな乗り心地の提供にとどまらない利点と可能性を見いだしていた。
山野:路面に対して完璧にフラットな姿勢を提供するサスペンションは、結果的にタイヤのグリップを最大限に引き出せる。一般に、クルマの車体がロールするとタイヤもロールして半ば浮いてしまうタイヤも出てきます。
webCG:タイヤの接地面積が変わって、きちんとグリップできなくなる。
山野:当然、接地圧もタイヤによってバラけます。例えばコーナリング中だと、たいていフロントのアウト側がツラく、リアのイン側が浮き気味になる。コーナーの進入時には特にそうなりやすい。
webCG:タイヤによって負荷の過不足が出てくる、と。
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