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【ニュース】テスラが再び大幅値下げ

世界ナンバーワンのEVメーカー、テスラに何が起きているのか? 2023.03.23 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 テスラが米国での販売価格を再び引き下げる。テスラ車のオーナーは、この展開に本当に戸惑っているはずだ。まずは2023年1月に値下げ、そして今、テスラはアメリカで再び値下げを行う。それを誰もが歓迎しているわけではない。

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
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一夜にして大幅な値下げを実施

喜ぶ人もいれば、非常に困る人もいることだろう。テスラは米国で「モデルS」と「モデルX」の価格を再び引き下げる。爆発的に売れているのは、事前の連絡もなく、オンラインコンフィギュレーター「Electrek」で、一夜にして価格を引き下げたことだ。

それは重大な結果を伴う。「モデルSロングレンジAWD」は、現在8万9990ドル(約1240万円)で購入可能だ。以前は9万4990ドル(約1310万円)だった。3つのモーターを搭載したパワフルな「モデルSプレイド」は、従来の11万4990ドル(約1585万円)から10万9990ドル(約1515万円)へと値下げされた。

「テスラ・モデルX」のコックピット。「ヨークステアリング」と呼ばれる独特な形状のステアリングホイールが採用されている。
「テスラ・モデルX」のコックピット。「ヨークステアリング」と呼ばれる独特な形状のステアリングホイールが採用されている。拡大
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モデルXは1万ドルの値下げ

テスラは、モデルXの価格を特に大幅に引き下げた。現在、全輪駆動のロングレンジバージョンは9万9990ドル(約1380万円)で、以前より1万ドル(約138万円)も安く購入できる。1万ドル(約138万円)の値下げは、「モデルXプレイド」にも適用される。その価格は当初の11万9990ドル(約1655万円)から、10万9990ドル(約1515万円)になった。

実は、これまで販売価格はまったく逆の方向に進んでいた。サプライチェーン、特に半導体不足の問題で、テスラはここ数カ月の間、何度も大幅に価格を引き上げていた。今までは、という話である。そして今、モデルSは2021年の夏と同じくらいの値段にまで下がった。

しかし、より安いクルマが実際に顧客にアピールするはずだとしても、誰もがこの展開を歓迎するわけではない。その理由は、2022年末の時点では、米国のテスラ購入者たちはまだ、モデルXプレイドと、その1020PSのために13万8990ドル(約1920万円)を支払わなければならなかったからだ。2023年1月の価格調整を含めると、このクルマは約20%も安くなっている。その価格差は、なんと2万9000ドル(約400万円)というものだ。2022年後半に購入した人たちは、今になって、だまされたと思っているに違いない。

クルマの価格が下がることは、たしかに潜在的な購入者へのアピールにはなるだろう。しかし、誰もがこの大幅値下げを歓迎するわけではない。
クルマの価格が下がることは、たしかに潜在的な購入者へのアピールにはなるだろう。しかし、誰もがこの大幅値下げを歓迎するわけではない。拡大

コストインフレの一部正常化

テスラは今回の価格調整を「コストインフレの一部正常化」として正当化している。しかし、内部の関係者は、この戦略を販売に必要な後押しと見ている。
業界からはすでに批判が殺到している。ルノーのCEOルカ・デメオ氏は、「テスラは売るために今後も価格を下げ続けるつもりだろうが、われわれは電気自動車の価値を守り続ける。そんなことをすれば、確かに顧客の価値を破壊してしまう」と述べている。

中国では、この値下げによって、調整前に購入したクルマを高く買いすぎたと感じる顧客がいたため、デモが発生したこともあった。果たして、テスラ車の高級EVとしてのイメージは守れるのか、これからもテスラは値下げ販売を続けるのか、世界中が強い関心を持って見守っている。

(Text=AUTO BILD/Photos=Tesla、Harald Almonat、AUTO BILD)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン

テスラの4ドアセダン「モデルS」。半導体不足の問題もあってここ数カ月は値上げ続きだったが、現在の価格は2021年夏の時点と同程度にまで下がっている。
テスラの4ドアセダン「モデルS」。半導体不足の問題もあってここ数カ月は値上げ続きだったが、現在の価格は2021年夏の時点と同程度にまで下がっている。拡大
AUTO BILD 編集部

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