トヨタ・プリウスZ(前編)

2023.04.13 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 まるでスポーツカーのような見た目に生まれ変わり、世間をあっと言わせたトヨタのハイブリッドカー「プリウス」。かつて同社でさまざまなクルマを開発してきた多田哲哉さんは、その仕上がりに何を思う?
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カッコよさだけで選ぶなかれ

プリウスといえば、多田さんの古巣であるトヨタの象徴的な一台である。多田さんも「友達から『今度のプリウスはかなり良さそうだけど、どうなの?』といった問い合わせがずいぶんありましたが、本格的に乗るのは今回が初めて。楽しみにしてきました」と語りつつ、笑顔で新型プリウスに乗り込んだ。

で、ひとしきり試乗して戻った多田さんの第一声は「いろんな人の評論にもあるように、普通にいいクルマですね。確かにカッコいいし、スポーティーに走れます。スポーティーでカッコいいというのは、クルマの商品づくりの古典的な王道です」というものだった。

実際、新型プリウスは売れている。公式ウェブサイトにおける工場出荷時期のめども、現在は「詳しくは販売店へ……」とあるので、実質的には受注休止状態に近い。昨今の供給難を差し引いても、かなりの人気のようだ。

「でも……」と多田さんは続ける。

「新型プリウスは確かにカッコいいですが、その第一印象だけで買ってしまうと後悔するかもしれません。」

「クルマをカッコよくするのは、ある意味で簡単です。車高を下げて、幅を広げれば、クルマは必然的にカッコよくなりますから。ただ、そうすると実用性ではさまざまな弊害が出てしまいます」

 
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