メルセデスAMG EQS53 4MATIC+<その2>(前編)

2023.05.11 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 メルセデスAMGが開発した初の電気自動車(BEV)である「AMG EQS53 4MATIC+」と、再び対峙(たいじ)した多田哲哉さん。車両開発のプロとして、この先進的モデルについてどうしても伝えたかったこととは?
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さすがはメルセデス!

お気づきの向きもおられるように、このAMG名義のEQSを取り上げるのは2回目となる。今回は多田さんたっての希望によってアンコール試乗と相なったのだ。

前回は乗った瞬間のあまりの驚きで『ここも、あそこも、全部すごい!』で終わってしまったのが心残りでした。言われてみれば、2000万円を軽くオーバーする価格ですから、よくできているのは当たり前。それだけでは、このクルマの本当のすごさは分かりませんよね」と多田さんは苦笑する。

「最近の『Sクラス』はどんどん豪華に大きくなっていくこと以外、新しい指針のようなものが感じられなくなっていたと思います。しかし、このEQSは電動化することで新しい未来を描いているように見えます。久々に『さすがはメルセデス』と思いました」

Sクラスといえば、モデルチェンジごとに新技術を取り入れて、それが世界のスタンダードになっていくのが、ある意味でお約束だった。しかし、電動化を前面に押し出すメルセデスにとって、今はEQSこそが、かつてのSクラスというべき存在かもしれない。

「このクルマはコンセプトの未来感、内外装デザインのどこを取っても印象的なのですが、なかでも一番すごいのはやはり走りの進化です。で、どうすごいのかというと、来るべきクルマの未来……完全自動運転の時代をはっきりと見据えているところです」

クルマ好きからすると、EQSといえば車外から見るだけで素直にギョッとする、最大9度という大舵角の後輪操舵にまずは目がいく。

 
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