TOM'S GRヤリス(前編)

2023.08.17 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 ただでさえ高性能な「トヨタGRヤリス」に、さらなる高みを目指してチューニングが施された「TOM'S GRヤリス」。磨き抜かれたその走りを、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価する?
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

舗装路に特化したチューニング

今回、われらが谷口信輝に試乗してもらうのは、モータースポーツ界の名門、TOM'S(トムス)がつくり上げたGRヤリスのコンプリートカーである。

そのベースとなったのは「GRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”」で、ここにAdvox(アドヴォックス)のコイルダンパーユニット(減衰力は32段階調整。車高調付き)や各種エアロパーツ(標準装備品はFRP製。試乗車に装着されたカーボン製はオプション)を装着したほか、エンジンを最高出力300PS、最大トルク412N・mにチューニング(ハイフロータービン付きターボチャージャーへの換装を含む)したことが主な変更点。試乗車にはさらに、TOM'Sがブレンボと共同開発したブレーキキャリパーキット、鍛造ホイール、「ブリヂストン・ポテンザRE-71RS」タイヤ、カーボンシフトノブを含むカーボン製インテリアパーツ(一部試作品)、サスペンションメンバーブレースなどが盛り込まれており、総額は1047万1080円(コンプリートカーのベース価格は829万円)にもなる、なかなかの高額車だ。

試乗を終えた谷口が、早速、その印象について語り始めた。
「GRヤリスって、もともとWRC(世界ラリー選手権)のホモロゲーションを取得するという目的で企画されたわけじゃないですか。そういう意味で言えば、サーキットや一般道だけでなく、悪路やダートを走ることも想定して開発されたクルマですよね。ただし、TOM'Sがつくったこのクルマは、もう完全に舗装路向けに振っています。だから、サスペンションストロークはノーマルよりも短くなっていて、バネレートも上がっている。おかげでステアリングの応答はとてもシャープ。試乗車はハイグリップタイヤを履いていることもあって、コーナーに対する“ガッツキ具合”は結構ありますね」

 
TOM'S GRヤリス(前編)の画像拡大
 
TOM'S GRヤリス(前編)の画像拡大
 
TOM'S GRヤリス(前編)の画像拡大
 
TOM'S GRヤリス(前編)の画像拡大