ホンダN-BOX(前編)

2023.11.23 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 いま国内で最も売れているクルマである、ホンダの軽乗用車「N-BOX」。3代目へと進化した小さな巨人を、トヨタで長年車両開発にたずさわってきた多田哲哉さんはどう見ているのか?
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今こそ買うべきタイミング

「今は山で暮らしています」と語る多田さんの普段のアシは“軽トラ”だ。それもあってか「最近はその他の軽自動車(以下、軽)も気になって、自分で乗ってみたりもするんです」と多田さんは続けた。

今の軽の代表といえば、言わずと知れたホンダN-BOXである。N-BOXは軽という枠にとどまらず、今や国民車と呼ぶべき日本のベストセラーカーである。なにせ2023年9月も、翌10月初旬に新型の発売が控えているにもかかわらず、モデル最末期の先代が国内販売1位を記録した!

「実は私の同年代の友人も、先日『プリウス』を捨てて、N-BOXを買いました。しかも旧型。新型が出るのはわかっていて、値引きが大きいので買ったそうです。旧型なら同じ値段で1~2ランク高いグレードも買えますから、普通の人にはお得に思えるんでしょう」

多田さんが軽に注目する理由はほかにもある。

「今現在、技術的にもどんどん進化しているジャンルは軽だけともいえます。今でも高級車で新技術を開発して、それを下のクラスに降ろすケースが皆無とは言いませんが、普通の人が“これはいい”と思うような技術は、もはや普通車や小型車にはほとんど採用されていて、驚くような新技術はなかなか出てきません」

「その点、サイズが小さくてコストも厳しい軽は、技術が降りてくるスピードも少しだけ遅い。安全性も含めて普通車で『良い』と思われていた技術がどんどん降りてきていて、ちょうど今が成熟期といえるんではないでしょうか。実際、今の軽は安全性にしても走りにしても、まだまだ進化しています」

 
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