トヨタGRカローラRZ“モリゾウエディション”(後編)

2024.02.22 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 トヨタこだわりの高性能車であるはずの「GRカローラRZ“モリゾウエディション”」に、厳しい評価を下した多田哲哉さん。どんなところに問題があると思うのか、さらに詳しく聞いた。
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WRCのすごさを伝えるべき

多田さんは「GRカローラはもちろん『GRヤリス』も、正確にいえば、これがないとトヨタがWRC(世界ラリー選手権)に出られないわけではありません」と指摘した。

とはいえ、GRカローラはパワートレインを共有するGRヤリスを通じて、WRCでのトヨタの活躍に思いをはせることもできるクルマだ。

「一般のクルマ好きの皆さんに、WRCのテクノロジーを還元するという意図はわかります。でも本物の最新テクノロジーの一端を味わってもらいたいなら、今つくるべきは、こういうクルマではないように思います」

そのココロは?

「今のラリーカーは悪路でも凹凸を避けたりしません。サスペンションストロークが異常に長く、アシが路面の変化に徹底的に追随しますから、WRCドライバーはひたすら最短のルートを駆け抜けるように走ります。最新のWRCマシンが大ジャンプする動画や写真で、タイヤがホイールハウスから異常なほど垂れ下がっている光景を見たことがある人も多いでしょう。あれですよ」

「今のWRCの本当の驚きや魅力は、そんなところにあると思います。その一端でもクルマ好きに味わってもらうなら、こうした量産車ベースの改造車も意味があります」

 
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