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新型「三菱トライトン」発売! 今こそピックアップトラックのすすめ

2024.02.19 デイリーコラム 工藤 貴宏
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海の向こうじゃ大人気

アメリカで最も売れている車種は何か?

クルマ好きを自称する人でも、この質問に自信をもって答えられる人は少ないかもしれませんね。何を隠そう、その車種というのはもう40年以上変わっていないのですが。

「アメリカでは『フォード・エクスプローラー』が売れているって聞いたことがある」
「『トヨタ・カムリ』がセダンの定番だよね」
「最近は『トヨタRAV4』が売れているのでは?」
「『テスラ・モデルY』が人気なんじゃないの?」

残念ながら、どれも不正解。全米で40年以上トップセールスの座に君臨しているモデルの名前は「フォードFシリーズ」。より具体的にいえば「フォードF-150」ですね。

……といっても、日本では「F-150ってなにソレ?」という人がほとんどかもしれません。その正体はピックアップトラック。トラックが最も売れているモデルだなんてありえない……と感じるのは日本のクルマ好きとしてはごく当たり前の反応でしょう。

でも、かの地では販売ランキング2位が「シボレー・シルバラード」、そして3位も「ラム・ピックアップ」とトップ3をピックアップトラックが占めると聞けば、もっと驚くに違いありません。

ちなみに2023年通年の販売台数はどうかといえば、Fシリーズが75万0789台、シルバラードが54万3319台、そしてラム・ピックアップが44万4926台(ちなみに4位はトヨタRAV4で43万4943台)。2023年に日本で最も売れた「ホンダN-BOX」の販売台数が23万1385台なので、Fシリーズはその3倍以上。もはや開いた口がふさがりません。いくら日本の3倍の人口を擁するとはいっても、アメリカの人はどれだけトラックが好きなんでしょうかね。

2024年2月15日に国内販売がスタートした新型「三菱トライトン」。その2日前、2月13日までに月間販売予定台数(200台)の6倍以上にあたる1300台を受注するなど、セールスの好調が伝えられる。
2024年2月15日に国内販売がスタートした新型「三菱トライトン」。その2日前、2月13日までに月間販売予定台数(200台)の6倍以上にあたる1300台を受注するなど、セールスの好調が伝えられる。拡大
新型「トライトン」はエントリーグレード「GLS」(498万0800円)と、上級グレード「GSR」(540万1000円)の2本立て。先行受注では、上級グレードが約9割(88%)を占めたという。
新型「トライトン」はエントリーグレード「GLS」(498万0800円)と、上級グレード「GSR」(540万1000円)の2本立て。先行受注では、上級グレードが約9割(88%)を占めたという。拡大
ボディーカラーの一番人気は「ホワイトダイヤモンド」で全体の32%。写真の「ヤマブキオレンジメタリック」も27%と健闘している。
ボディーカラーの一番人気は「ホワイトダイヤモンド」で全体の32%。写真の「ヤマブキオレンジメタリック」も27%と健闘している。拡大
こちらはアメリカ国内のベストセラー「フォードF-150」(写真は2024年モデル)。「Fシリーズ」と呼ばれるフォードのピックアップトラックは誕生から70年以上の歴史を持ち、かの地では大変な人気車種として君臨している。
こちらはアメリカ国内のベストセラー「フォードF-150」(写真は2024年モデル)。「Fシリーズ」と呼ばれるフォードのピックアップトラックは誕生から70年以上の歴史を持ち、かの地では大変な人気車種として君臨している。拡大
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“脱・商用”で人気回復

というわけで、今回のコラムのテーマはピックアップトラック。かつては日本でも「働くクルマ」として多く見かけたピックアップトラックでしたが、最近はすっかり希少種になりましたね。

2002年に日産が「ダットサントラック」、2004年にトヨタが「ハイラックス」の生産を終了する頃には、働くクルマとしての国内ニーズはほぼ終了。あとは2006年から2011年にかけて輸入された「三菱トライトン」、2014年から翌年にかけての「トヨタ・ランドクルーザー“70”シリーズ」などが、レジャービークル(&少数のワークユース)の、知る人ぞ知る存在として愛されていました。

そんな流れを大きく変えたのが、2017年のハイラックスの国内復活。発売後しばらくは国内販売台数は年間6000台強のペースでしたが(それだけでも十分に多いといえる)、ここ数年は人気が高まり、年間1万台以上も売れているのだとか。北米の怪物たちに比べると比較にもならないニッチな市場ではあるものの、一時期の絶版状態から考えると復活を果たしたといっていいでしょう。

そこに再参入するのが、2024年2月15日に発売された新型三菱トライトンというわけ。本国タイで2023年にフルモデルチェンジして新型に切り替わったのに続き、日本でも販売されることになりました。

それにしても、どうしてピックアップトラックが復活したのか? 筆者は2つの理由があると考えます。

まず大前提として、かつてと違って今は商用ではなく乗用ニーズがほとんどだということ。それを踏まえたうえで理由として考えられるひとつめは、従来の「トラックはチープな乗り物」というイメージを払拭(ふっしょく)できたから。

かつてピックアップトラックの主なニーズが商用車だった頃は「仕事で使われる安っぽいクルマ」であり、それをプライベートカーとして使うのはよほどのマニアかモノ好きだけでした。しかし昨今の日本では商用車としてピックアップトラックを見かけることはなくなり、内外装の仕立ても良くなったことでイメージが変化し、SUVの派生モデルとして乗用車の代わりとなり得る存在となったことです。

「三菱トライトン」のライバルにあたるのが「トヨタ・ハイラックス」。写真は2017年9月、国内市場へのカムバックを果たした際のもの。
「三菱トライトン」のライバルにあたるのが「トヨタ・ハイラックス」。写真は2017年9月、国内市場へのカムバックを果たした際のもの。拡大
「トヨタ・ハイラックス」の後席。背の高い荷物を積載するためのチップアップ機能が使える。
「トヨタ・ハイラックス」の後席。背の高い荷物を積載するためのチップアップ機能が使える。拡大
新型「トライトン」の大きな魅力は、そのデザインだろう。特に、強烈な個性を放つフロントフェイスは、一度見たら忘れがたいものがある。
新型「トライトン」の大きな魅力は、そのデザインだろう。特に、強烈な個性を放つフロントフェイスは、一度見たら忘れがたいものがある。拡大
新型「トライトン」のインテリア。水平基調のインストゥルメントパネルには、車体の姿勢変化がわかりやすいという機能的な側面もある。
新型「トライトン」のインテリア。水平基調のインストゥルメントパネルには、車体の姿勢変化がわかりやすいという機能的な側面もある。拡大

きっと人生が楽しくなる

もうひとつはクルマ選びの多様化。昨今はSUVが乗用車として普通の存在となりましたが、乗用車に対する既成概念が変化し、マイカー選びの幅が広がったことで実用性や個性を求めるユーザーにとってピックアップトラックが魅力的に映るようになったからだと考えます。

そして付け加えると、リセールバリューの良さも魅力のひとつ。ハイラックスの新車購入から3年後で7割近く、5年後でも6割近い残価率は平均水準を大きく超えるものであり、買い替えのタイミングによっては驚くほどお得な買い物となっているのです。ピックアップトラックって、手放すときに高く売れるんです。

ところで、ハイラックスの独占市場に殴り込みをかける三菱トライトンは善戦できるのでしょうか?

筆者が考えるトライトンのハイラックスに対する強みは、北米のピックアップトラックのような力強いスタイリング。せっかく個性的なクルマを買うのですから、そういう部分って大切じゃないでしょうか。

ただし、ちょっと心配なこともある。それは価格。407万2000円から477万2000円(特別仕様車)という価格帯のハイラックスに対してトライトンは498万0800円から540万1000円と明確に高いのです。これは痛い……。

ただ、三菱は残価設定ローンにおける5年後の残価率の設定をハイラックスよりも高い63%とがんばった設定とすることで、残価設定ローンをハイラックスと同条件で使うと月々の支払いの差は2000円程度になるのだとか。それなら新しさと力強い見た目にほれてトライトンを選ぶ……というのもいい選択だと思いますよ。

実は、筆者も「オトコなら(もちろんオンナでも)いつかはピックアップトラック」とその購入を虎視眈々(たんたん)と狙っている一人。だって、こういうのを買ったら人生が楽しくなりそうじゃないですか。全長5mを超える車体ゆえ、駐車場などでそれなりに苦労するのは否めませんが。

(文=工藤貴宏/写真=三菱自動車、フォード・モーター・カンパニー、webCG/編集=関 顕也)

さまざまなモノを積めるピックアップトラックのベッド(荷台)を見ていると、いろいろなアクティビティーを通して人生が豊かになるイメージが浮かんでくる。
さまざまなモノを積めるピックアップトラックのベッド(荷台)を見ていると、いろいろなアクティビティーを通して人生が豊かになるイメージが浮かんでくる。拡大
「トライトン」の後席は3人掛け。背もたれは可倒式で、その背面には収納スペースも用意されている。
「トライトン」の後席は3人掛け。背もたれは可倒式で、その背面には収納スペースも用意されている。拡大
新型「トライトン」のエンジンは2.4リッター直4ディーゼルターボのみ。最高出力204PS、最大トルク470N・mを発生する。ちなみに燃費はWLTCモードで11.3km/リッター。
新型「トライトン」のエンジンは2.4リッター直4ディーゼルターボのみ。最高出力204PS、最大トルク470N・mを発生する。ちなみに燃費はWLTCモードで11.3km/リッター。拡大
タレントのヒロミが、新型「三菱トライトン」のブランドアンバサダーに就任。この先、スペシャルサイトを通じてカスタマイズの様子を紹介していくという。
タレントのヒロミが、新型「三菱トライトン」のブランドアンバサダーに就任。この先、スペシャルサイトを通じてカスタマイズの様子を紹介していくという。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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