ホンダWR-V Z+(前編)

2024.08.01 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 モノの値上がりが続くなか、極めてリーズナブルなSUVとして話題を集めているホンダのインド製SUV「WR-V」。トヨタで長年車両開発にたずさわってきた多田哲哉さんに、試乗しての印象を聞いてみた。
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“最初”はむしろ問題ない

WR-Vはタイ拠点で開発されて、インドで生産される。ホンダ四輪車初のインドからの輸入車ということもあり、品質については良くも悪くも注目度が高い。

「日本で売るからといって、日本でつくる必要はありません。今は、日本でつくらないとクオリティーが保てないなどという時代でもありません。それでも、あえて日本でつくる理由があるとすれば、それは雇用問題だけでしょう」

「先日、ぼくはオートバイを買いました。その時にいろいろと見て回りましたが、最近のオートバイは、日本ブランドでもインド製が少なくないんですね。ただ、オートバイについては、インド生産はまだクオリティーが低い部分があります」

「でも、このWR-Vについては、工場による品質差が出やすいボディーパネルの隙間や継ぎ目を見ても問題ありません。よくできています」と多田さん。

ホンダも基本的な品質基準は世界で共通という。しかも、WR-Vの生産に際しては、検査のノウハウを、軽自動車の「N」シリーズから「フィット」「ヴェゼル」を生産する日本の鈴鹿製作所から移転したそうだ。

「最初はいいんです。つくるほうも最初は気合が入っていますから……。『86』のスバル本工場や『スープラ』のマグナ・シュタイヤー工場にも、最初はトヨタから品質保証の人間がたくさん出向きました。でも、本当に大切なのは、これがきっちり売れて2代目になっても、その品質を維持、あるいはさらに向上していけるかです」

 
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