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第807回:「ロードスター35周年記念車」もお披露目! 「マツダファンフェスタ2024」見聞録

2024.10.21 エディターから一言 鈴木 ケンイチ
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「マツダファンフェスタ2024」で公開された「ロードスター35周年記念車」。「アーティザンレッドプレミアムメタリック」のボディーカラーとタンのインテリアが特徴となる。
「マツダファンフェスタ2024」で公開された「ロードスター35周年記念車」。「アーティザンレッドプレミアムメタリック」のボディーカラーとタンのインテリアが特徴となる。拡大

マツダが富士スピードウェイで「MAZDA FAN FESTA 2024 at FUJI SPEEDWAY(マツダファンフェスタ2024)」を開催。かねて登場がうわさされていた「ロードスター35周年記念車」を初公開した。ファンなら大満足なイベントの様子と、気になる35周年記念車の詳細を、会場からリポートする。

「マツダファンフェスタ」は、今回の富士スピードウェイだけでなく、スポーツランドSUGOや岡山国際サーキットでも開催されている。
「マツダファンフェスタ」は、今回の富士スピードウェイだけでなく、スポーツランドSUGOや岡山国際サーキットでも開催されている。拡大
オープニングイベントでは、寺田陽次郎氏のドライブする「787B」を先頭に、毛籠社長兼CEOをはじめとするマツダの役員が歴代の「ロードスター」を運転して登場した。
オープニングイベントでは、寺田陽次郎氏のドライブする「787B」を先頭に、毛籠社長兼CEOをはじめとするマツダの役員が歴代の「ロードスター」を運転して登場した。拡大
レーシングコースでは「ロードスターパーティーレース」や“マツチャレ””マツ耐“などのレース、「787B・歴代レーシングカーデモラン」およびパレードランなどが行われた。
レーシングコースでは「ロードスターパーティーレース」や“マツチャレ””マツ耐“などのレース、「787B・歴代レーシングカーデモラン」およびパレードランなどが行われた。拡大
1階ピットでは「マツダ・ミュージアムIN FUJI」と銘打って、広島のマツダミュージアムに収蔵されているヒストリックカーを展示していた。
1階ピットでは「マツダ・ミュージアムIN FUJI」と銘打って、広島のマツダミュージアムに収蔵されているヒストリックカーを展示していた。拡大
子供向けに、パルクールやスケートボードといった都市型スポーツの体験コンテンツも数多く用意されていた。
子供向けに、パルクールやスケートボードといった都市型スポーツの体験コンテンツも数多く用意されていた。拡大
体験コンテンツのひとつである「技能五輪 職人技実演」。丸い板をたたいていくことで、“おわん”のような形に変えていくのだ。
体験コンテンツのひとつである「技能五輪 職人技実演」。丸い板をたたいていくことで、“おわん”のような形に変えていくのだ。拡大
これも体験コンテンツの「鋳造体験スタンプづくり」。つくった砂型に溶けたスズを流し込み、オリジナルのスタンプを製作するという、非常にマニアックなものだった。
これも体験コンテンツの「鋳造体験スタンプづくり」。つくった砂型に溶けたスズを流し込み、オリジナルのスタンプを製作するという、非常にマニアックなものだった。拡大
トークイベントが行われたピットビル3階のメインステージ。ここで「ロードスター35周年記念車」などが発表された。
トークイベントが行われたピットビル3階のメインステージ。ここで「ロードスター35周年記念車」などが発表された。拡大

マツダならではのマニアックな体験コンテンツも

2024年10月19日と20日の2日間、マツダファンフェスタが開催された。スポーツランドSUGOや岡山国際サーキットでも開催されている、マツダ主催のファンイベントだ。今回は寺田陽次郎氏がドライブする「マツダ787B」を先頭に、毛籠勝弘社長兼CEOなどマツダの役員が運転する歴代「ロードスター」が本コースに登場するところからイベントはスタートした。

内容は充実しており、主にレーシングコースにおける走行コンテンツ、ステージでのトークイベント、そして各種体験コンテンツの3本柱で構成される。レーシングコースでは、“マツ耐”ことマツダ車オーナーによる耐久レース「マツダファン・エンデュランス」や、各種パーティーレース、787Bのデモラン、パレード走行などを実施。いっぽうステージでは、寺田陽次郎氏によるルマントークショーや、マツダとしては実に数十年ぶりとなるワークスレース活動を紹介する「マツダスピリットレーシングの挑戦」などが行われた。

今回、驚いたのは体験コンテンツの豊富さだ。缶バッジづくりや、パルクールやスケートボードを体験する子供向けの「アーバンスポーツパーク」などに加え、「マフラー教室」や「色のヒミツを探ろう」「デザイナー体験」「プログラマー体験」といった、クルマを理解するためのコンテンツが数多く用意されていたのだ。また大人向けにも「圧着着火体験」や「射出成型体験/ミニロードスターづくり」「プレス体験」「鋳造体験」など、非常にマニアックなコンテンツを用意。ピットでは歴史的な古いマツダ車やレーシングカーも数多く展示され、メーカー主催のイベントならではの、非常に凝った中身となっていた。

しかし、今回のイベントにおける最大のトピックは、やはりロードスター35周年記念車の公開だろう。

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“熟成”をテーマにしたビンテージ路線の復活

これまでロードスターは、10周年、20周年、25周年、30周年と、節目の年に特別仕様の記念車をリリースしてきた。2024年はロードスター誕生から35周年となることから、今回も記念車の登場が期待されていたのだ。

そのロードスター35周年記念車の公開は、ピットビル3階に用意されたメインステージで行われた。アンベールされた車両は、「アーティザンレッド」のボディーカラーにタンのインテリアというものである。

「35周年ということで、今回は思いっきりビンテージ方向に振りました。これまでにない独特な世界観をつくり込めたんじゃないかと思います。アーティザンレッドとタンの組み合わせは最高にきれいですし、エレガントだし、できれば大人の方に乗ってもらいたい」と商品開発本部主査の齋藤茂樹氏は語る。

いっぽう、デザイン本部チーフデザイナーの岩内義人氏は「デザインのポイントは、ずばり“熟成”ですね。ロードスター35周年、ND(現行型)としても来年で10周年を迎えます。昨年はビッグマイナーチェンジも行ったということで、今まさに、ロードスターは熟成極まるというタイミングにきていると思います。なので、そうした熟成を感じさせるような、アーティザンレッドとタンを組み合わせています」と解説。さらに「このアーティザンレッドという色は、もともと成熟したワインの色をボディーカラーに落とし込んだものなので、まずこれを使おうと。次に、『ワインに合うチーズをどうしようか』という目線で考えました。そしてベージュのホロとタンの内装をセットしました。裏テーマとしては“ワイン・アンド・チーズ”みたいな感じでやっております」と続けた。

かつてロードスターには「Vスペシャル」というクラシカルなビンテージ路線のモデルが用意されていたが、3代目のNCの時代に、それが途絶えてしまっていた。岩内氏は「チーフデザイナーになって最初にやりたかったことが、ビンテージ路線の復活でした」と語る。

ロードスター35周年記念車の発売時期と価格は発表されなかったが、齋藤氏いわく「ソフトトップで300万円代後半、「RF」で400万円代前半になりそう」とのこと。35周年を記念するクルマであるから、遅くとも年内には発表があるはずだ。

「ロードスター35周年記念車」は、「ソフトトップ」と「RF」の両方に用意される。価格はソフトップが300万円代後半で、RFが400万円代前半になるという。
「ロードスター35周年記念車」は、「ソフトトップ」と「RF」の両方に用意される。価格はソフトップが300万円代後半で、RFが400万円代前半になるという。拡大
「最高にきれいですし、エレガントだし、できれば大人の方に乗ってもらいたい」と語った、マツダ 商品開発本部主査の齋藤茂樹氏。
「最高にきれいですし、エレガントだし、できれば大人の方に乗ってもらいたい」と語った、マツダ 商品開発本部主査の齋藤茂樹氏。拡大
「2021年にチーフデザイナーになって、最初にやりたかったのがビンテージ路線の復活です」と語る、マツダ デザイン本部チーフデザイナーの岩内義人氏。
「2021年にチーフデザイナーになって、最初にやりたかったのがビンテージ路線の復活です」と語る、マツダ デザイン本部チーフデザイナーの岩内義人氏。拡大
ボディーカラーと同じ「アーティザンレッド」のキーが、オプションで用意されるという。
ボディーカラーと同じ「アーティザンレッド」のキーが、オプションで用意されるという。拡大
「ロードスター35周年記念車」に装着される高輝度アルミホイール。サイズはソフトトップが16インチ、RFが17インチとなる。RFに高輝度ホイールが装着されるのはこれが初となる。
「ロードスター35周年記念車」に装着される高輝度アルミホイール。サイズはソフトトップが16インチ、RFが17インチとなる。RFに高輝度ホイールが装着されるのはこれが初となる。拡大
ボディーの右には、シリアルナンバー付きの「35th  ANNIVERSARY」バッジが装着される。
ボディーの右には、シリアルナンバー付きの「35th  ANNIVERSARY」バッジが装着される。拡大
ホロは、麻のような質感の「ドリフトウッド」と呼ばれるテクスチャー生地を採用。ただのベージュではなく、独特の風合いがある。
ホロは、麻のような質感の「ドリフトウッド」と呼ばれるテクスチャー生地を採用。ただのベージュではなく、独特の風合いがある。拡大
内装色は「スポーツタン」。シートだけでなくフロアまでもタンカラーになっているのが特徴だ。フロアマットにも35周年の記念エンブレムが備わっている。
内装色は「スポーツタン」。シートだけでなくフロアまでもタンカラーになっているのが特徴だ。フロアマットにも35周年の記念エンブレムが備わっている。拡大
シートのヘッドレストには、エンボス加工で35周年記念車のエンブレムが入る。
シートのヘッドレストには、エンボス加工で35周年記念車のエンブレムが入る。拡大
エアコンのルーバー内にも、ダークレッドのカラーが配色されている。ボディーカラーに合わせた、ちょっとしたアクセントだ。
エアコンのルーバー内にも、ダークレッドのカラーが配色されている。ボディーカラーに合わせた、ちょっとしたアクセントだ。拡大
ステアリングホイールやシフトノブ、サイドブレーキノブなどのステッチもタンとなっている。
ステアリングホイールやシフトノブ、サイドブレーキノブなどのステッチもタンとなっている。拡大

スーパー耐久に参戦する2リッターエンジンを搭載

ロードスターに関してもうひとつのトピックとして挙げられるのが、2リッターのソフトトップバージョンの発売だ。日本仕様のロードスターは、ソフトトップが排気量1.5リッターのエンジンを、ハードトップの「RF」が2リッターのエンジンを搭載している。これまで、ソフトトップの2リッター車は国内では販売されていなかったのだ。

ところが今回、トークショー「マツダスピリットレーシングの挑戦」において、マツダスピリットレーシングの前田育男代表が「今年の東京オートサロンに出品したコンセプトカー『マツダスピリットレーシング スペシャルモデル』の市販化を決定した」と明言したのだ。このモデルは2リッターエンジンのソフトトップ車である。

またトークショーでは、「スーパー耐久に参戦している車両のエンジンを搭載する」とも述べられた。彼らはこのレースに投入するロードスターに、カーボンニュートラル燃料(CNF)を使用している。つまり「スーパー耐久のエンジン」となれば、「CNF対応のエンジン」、もしくは「スーパー耐久用にチューニングされたエンジン」、あるいはその両方ということになるだろう。いずれにせよ、今あるロードスターRFのエンジンとは異なる仕様になるのではないだろうか。これも発売が楽しみなモデルである。

走行会やレースに参戦し、あるいはそこで走るクルマを眺め、展示されているヒストリックカーを観察し、トークショーを楽しむ。会場にはマツダ車のパーツを扱うスペシャルショップも数多く出店しており、マツダファンにとって、きっと満足できる充実した内容となっていただろう。

(文と写真=鈴木ケンイチ/編集=堀田剛資)

マツダスピリットレーシングのコンセプトカー。2リッターエンジンを搭載するソフトトップ車であることが特徴で、このほど市販化が正式に発表された。
マツダスピリットレーシングのコンセプトカー。2リッターエンジンを搭載するソフトトップ車であることが特徴で、このほど市販化が正式に発表された。拡大
マツダスピリットレーシングの前田育男代表。マツダで長らくデザイン本部長を務め、現在はシニアフェローブランドデザイン担当を務めている。
マツダスピリットレーシングの前田育男代表。マツダで長らくデザイン本部長を務め、現在はシニアフェローブランドデザイン担当を務めている。拡大
マツダスピリットレーシングがスーパー耐久に投入している「ロードスター」のレーシングカー。カーボンニュートラル燃料を使用する2リッターエンジンを搭載している。
マツダスピリットレーシングがスーパー耐久に投入している「ロードスター」のレーシングカー。カーボンニュートラル燃料を使用する2リッターエンジンを搭載している。拡大
スーパー耐久を戦うトヨタ、ホンダ、日産、スバルのマシンも展示。トヨタとスバルのスーパー耐久チームの代表は、この日のトークショーにも登場した。
スーパー耐久を戦うトヨタ、ホンダ、日産、スバルのマシンも展示。トヨタとスバルのスーパー耐久チームの代表は、この日のトークショーにも登場した。拡大
1階ピットに展示された、マツダの歴代レーシングカー。「787B」以外にも、「サバンナRX-3」や「RX-7」などが並んでいた。
1階ピットに展示された、マツダの歴代レーシングカー。「787B」以外にも、「サバンナRX-3」や「RX-7」などが並んでいた。拡大
ピットビルの前の駐車場には、数多くの飲食店が店を並べていた。写真は広島の有名店である「お好み焼 みっちゃん総本店」の出張店。
ピットビルの前の駐車場には、数多くの飲食店が店を並べていた。写真は広島の有名店である「お好み焼 みっちゃん総本店」の出張店。拡大
体験コンテンツの「プレス体験ロードスター記念プレートづくり」。「ロードスター」の部品端材に、自分の力で刻印をプレスするというものだ。
体験コンテンツの「プレス体験ロードスター記念プレートづくり」。「ロードスター」の部品端材に、自分の力で刻印をプレスするというものだ。拡大
会場にはマツダ関連のショップや販売会社もブースを並べていた。
会場にはマツダ関連のショップや販売会社もブースを並べていた。拡大
鈴木 ケンイチ

鈴木 ケンイチ

1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

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