カンナム・スパイダーRTリミテッド(6AT)
レッツ・トライク! 2025.05.16 JAIA輸入二輪車試乗会2025 バイクとも、クルマとも違う楽しさがある! カナダのCAN-AM(カンナム)がラインナップする独創の三輪マシンのなかから、上級モデルの「スパイダー」に試乗。全身を使ってマシンを乗りこなす、唯一無二のファン・トゥ・ライドをリポートする。乗りこなすには筋トレ必須!
実は、今回のJAIA輸入二輪車試乗会で、朝いちばんに乗ったのがコレ。「1品目からミディアムで焼いたテンダーロインステーキかよ……」という独り言がBRPジャパンのスタッフさんに聞かれていなかったか、いまさらちょっと心配になる。四輪免許で乗ることができるこのスリーホイーラーは、フロント2輪、リア1輪であることから、一般的なフロント1輪のトライクと区別する意味で、「リバーストライク」と呼ばれている。
そんなリバーストライクばかり製造しているカンナムのラインナップのなかで、ラグジュアリーツーリングの最高峰モデルという位置づけなのが、この「スパイダーRTリミテッド」だ。全長2833mm、車重464kgの巨体にまたがってさっそく走りだしてみると、3年前に乗った200kgほど軽量な同門の「ライカー スポーツ」よりも、“がんばらなくていい”部分が多いことにちょっと驚いた。なんというか、デカくて重いはずなのに、こっちのほうがラクチンなのだ。
ライカー スポーツに試乗したときのフィーリングについては3年前の記事を参照していただくとして、このスパイダーのほうが優れているもののひとつに、乗り心地がある。モーターサイクルがベースの、フロント1輪のトライクの場合、アクスルを左右に延長することでリアの左右輪に駆動力を配分しているのだが、これだとリジッドアクスルゆえ路面からの衝撃がダイレクトに伝わってしまうデメリットがある。いっぽう、フロントが独立懸架になっているリバーストライクでは、左右の足が衝撃を分担して吸収してくれる。つまり、それだけでも乗り心地がグンといいのだ。そんなカンナムのトライクのなかでも、スパイダーは車体がどっしりしていて、かつ高価なザックスのダンパーをおごっているのだから、これは確かに安楽だ。
スタッフさんからの「コーナリングでお尻をインにズラす、つまりハングオフするとかえって危ないですよー」というアドバイスは至極もっともで、基本的にリバーストライクは、強いニーグリップと体幹と腕力をもってライディングする。バイクよりもクルマよりもはるかに強烈なブレーキGからカラダを支えるのも、つまりはライダー自身(の筋力)である。そしてこの、「オレが全身で操っている感じ」がたまらなく面白い!
カナダからやって来た、カンナムというこの乗り物。ルックスの強い押し出しから「そこまで目立ちたくない」と遠ざけてしまうのは、実に惜しい。バイクでもない、クルマでもない、このリバーストライクでしか味わえないうま味=混じりっけなしのライディングプレジャーがあることを、ぜひ読者にも知ってほしい。それが筆者の本心。試乗は全国に20カ所以上あるディーラーで可能とのこと。レッツ・トライク!
(文=宮崎正行/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=2833×1554×1464mm
ホイールベース:1714mm
シート高:755mm
重量:464kg
エンジン:1330cc 水冷4ストローク直列3気筒DOHC 4バルブ(1気筒あたり)
最高出力:115HP(85.8kW)/7250rpm
最大トルク:130.1N・m(13.3kgf・m)/5000rpm
トランスミッション:6段AT
燃費:--km/リッター
価格:442万9600円
◇◆JAIA輸入二輪車試乗会2025◆◇
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宮崎 正行
1971年生まれのライター/エディター。『MOTO NAVI』『NAVI CARS』『BICYCLE NAVI』編集部を経てフリーランスに。いろんな国のいろんな娘とお付き合いしたくて2〜3年に1回のペースでクルマを乗り換えるも、バイクはなぜかずーっと同じ空冷4発ナナハンと単気筒250に乗り続ける。本音を言えば雑誌は原稿を書くよりも編集する方が好き。あとシングルスピードの自転車とスティールパンと大盛りが好き。
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