ポルシェ911カレラGTS(前編)

2025.07.03 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 ついにハイブリッド化した「ポルシェ911」に、多田哲哉さんが試乗。トヨタ時代から911をマークし続けてきた車両開発者は、この次世代モデルの仕上がりをどのように評価する?
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スポーツカー×ハイブリッドのメリットとは?

「とにかく一刻も早く乗ってみたかったんです」と多田さんがうれしそうに語るのは、ポルシェのスポーツカー初のハイブリッド車となる「911カレラGTS」だ。同車には4WDの選択肢もあるが、今回は伝統のRR=2WDである。

注目のパワーユニットは、3.6リッター水平対向6気筒シングルターボと変速機の間に最高出力56PS、最大トルク150N・mのモーターを挟み込む。電気のみのEV走行はできない。ある意味でシンプルなハイブリッドだ。

「911がハイブリッドになると聞いたとき、真っ先に思い浮かんだのは『ついにジューハイを変えるのか?』でした」

ジューハイとはプロの自動車エンジニアがよく使う表現で、漢字で書くと「重配」。クルマ一台の前後重量配分のことだ。

「30年くらい前にポルシェの人と話したときには、やはり『911の重配はもう少しなんとかしたい』と言っていました。その後にミドシップの『ボクスター』や『ケイマン』が出てきて、私も納得できた部分があったんです」

「実は『スープラ』を企画したときも、ハイブリッドの可能性をけっこう真面目に考えました。ハイブリッドというと燃費のためと考えがちですが、スポーツカーでは重心を自由に設計できるというメリットもあるんです。重配もそうですし、うまくやれば低重心化も図れます」

 
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