第85回:ステランティスの3兄弟を総括する(その3) ―「ジープ・アベンジャー」にただよう“コレジャナイ感”の正体―

2025.09.17 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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欧風テイストただようスタイルが目を引く「ジープ・アベンジャー」。「e-CMP」プラットフォームを共有するコンパクトSUVだ。
欧風テイストただようスタイルが目を引く「ジープ・アベンジャー」。「e-CMP」プラットフォームを共有するコンパクトSUVだ。拡大

ステランティスの将来を占う、コンパクトSUV 3兄弟のデザインを大考察! 最終回のお題は「ジープ・アベンジャー」だ。3兄弟のなかでもとくに影が薄いと言わざるを得ない一台だが、それはなぜか? ただよう“コレジャナイ感”の正体とは? 有識者と考えた。

「フィアット600」編へ戻る)

2022年12月に欧州でデビューした「アベンジャー」。「ジープ初のEV!」というふれこみの同車だが、海外では仕向け地に応じて、普通にエンジン車やハイブリッド車も用意されている。
2022年12月に欧州でデビューした「アベンジャー」。「ジープ初のEV!」というふれこみの同車だが、海外では仕向け地に応じて、普通にエンジン車やハイブリッド車も用意されている。拡大
そんなわけで、写真は英国仕様の純ガソリン車。日本にもEV以外の「アベンジャー」が導入される日はくるのだろうか?
そんなわけで、写真は英国仕様の純ガソリン車。日本にもEV以外の「アベンジャー」が導入される日はくるのだろうか?拡大
2010年登場の初代「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク」。下肢の張り出し具合やバンパーコーナーの削り込み具合が、「ジープ・アベンジャー」と非常によく似ている。(元ネタはこちらなのだが)
2010年登場の初代「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク」。下肢の張り出し具合やバンパーコーナーの削り込み具合が、「ジープ・アベンジャー」と非常によく似ている。(元ネタはこちらなのだが)拡大
でっかいタイヤにしっかりと踏ん張った下肢、そして小さく薄いキャビン……と、「レネゲード」のデザインは非常に欧州車的。米国で販売しない車種であることから、デザインについては欧州テイストに振り切ったのか。あるいは「e-CMP」ベースでは、ジープ的なスタイルでクルマを仕上げるのが難しかったのか……。
でっかいタイヤにしっかりと踏ん張った下肢、そして小さく薄いキャビン……と、「レネゲード」のデザインは非常に欧州車的。米国で販売しない車種であることから、デザインについては欧州テイストに振り切ったのか。あるいは「e-CMP」ベースでは、ジープ的なスタイルでクルマを仕上げるのが難しかったのか……。拡大

実はカッコいいクルマなんです

webCGほった(以下、ほった):3回にわたって送ってまいりました、ステランティスのコンパクトSUVデザイン考も、これが最終回! トリを飾りますのは、ジープ・アベンジャーです。

清水草一(以下、清水):クルマ好きの注目度は、3兄弟のなかでもいちばん低そうだね。

渕野健太郎(以下、渕野):これはEV(電気自動車)だけなんですよね?

ほった:日本ではそうですね。海外ではエンジン車や、ハイブリッド四駆の「4xe」も出てますけど。

清水:ジープなのにEVでFWDオンリー! しかも本場アメリカではラインナップされてないっていう(笑)。

ほった:webCG読者がソッポを向く要素が、全部そろってる感じですね。紹介する順番、間違えたかも。