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1/20欧風テイストただようスタイルが目を引く「ジープ・アベンジャー」。「e-CMP」プラットフォームを共有するコンパクトSUVだ。
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2/202022年12月に欧州でデビューした「アベンジャー」。「ジープ初のEV!」というふれこみの同車だが、海外では仕向け地に応じて、普通にエンジン車やハイブリッド車も用意されている。
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3/20そんなわけで、写真は英国仕様の純ガソリン車。日本にもEV以外の「アベンジャー」が導入される日はくるのだろうか?
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4/202010年登場の初代「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク」。下肢の張り出し具合やバンパーコーナーの削り込み具合が、「ジープ・アベンジャー」と非常によく似ている。(元ネタはこちらなのだが)
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5/20でっかいタイヤにしっかりと踏ん張った下肢、そして小さく薄いキャビン……と、「レネゲード」のデザインは非常に欧州車的。米国で販売しない車種であることから、デザインについては欧州テイストに振り切ったのか。あるいは「e-CMP」ベースでは、ジープ的なスタイルでクルマを仕上げるのが難しかったのか……。
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6/20「ジープ・アベンジャー」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4105×1775×1595mm。フィアットやアルファの兄弟車と比べると、全幅、全高はほぼ同じで全長がショート。SUVというより、スポーティーなハッチバックといった趣だ。
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7/20全高は「レネゲード」(写真左)が1695mmなのに対し、「アベンジャー」(同右)は1595mm。実に10cmも背が低い。
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8/20同じジープのコンパクトSUVでも、「レネゲード」(写真)は全体のスタイル、ディテールともに遊び心が全開。日本のように、ジープに強烈な個性を求めるマーケットでは、「アベンジャー」はちょっと地味かもしれない。
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9/20日本では「ラングラー」のイメージが強烈なジープだが、本場アメリカではかなり幅広いキャラクターの車種を取りそろえている。写真は上から「グランドワゴニアL」「ワゴニアS」「チェロキー」。
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10/20ほった「『ワゴニア』はジープのなかでも高級SUVに特化したサブブランドですからね。ジープのほかの車種と比べたら、ちょっと特異ではありますよ」
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11/201948年登場の、後輪駆動のオープンカー「ジープスター」。クロカンのイメージが強いジープだが、実は昔から、結構軟派なモデルもつくっていたのだ(笑)。
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12/20清水「欧風といえば、さっきの『ワゴニアS』なんかも欧風デザインだと思うけど」
ほった「ですね。ひょっとしたら、ジープも『ラングラー』系以外は欧風デザインに流れていくのかも(泣)」 -
13/20多数のモデルがラインナップされるジープだが、日本ではどうしても「ラングラー」のイメージが強く、人気も絶大だ。販売構成は、ラングラーと「レネゲード」の2車種がほとんどで、残りをそのほかの車種が分け合うといった時期もあったほどだ。
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14/20ジープの起源である1941年登場の軍用車「MBウィリス」(写真左)と、現行「ラングラー」の限定モデル「'41エディション」(同右)。
清水「このイメージを持ってこられると、ほかのSUVはかすんじゃうね」
ほった「問題は、同門のSUVも存在がかすんじゃうことです」 -
15/20「ラングラー」をベースとしたピックアップトラックの「グラディエーター」。全長5.6mというデカさもあって、その存在感は圧倒的だ。
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16/20「ラングラー」系が人気を博すいっぽうで、影が薄いのが「グランドチェロキー」や「コンパス」「コマンダー」といった、いわゆる”普通のSUV”系のモデル。グランドチェロキーは、2025年2月発売の「ファイナルエディション」を最後に、日本では廃止となってしまった……。
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17/20ほった「……というわけで、“普通のSUV”の『アベンジャー』も、日本では苦戦するのではないかと」
清水「そもそもEVだけのラインナップだし、インポーターもそんなに売れるとは思ってないでしょ」 -
18/20「アベンジャー」で唯一ジープっぽさを感じさせる、フロントマスクのセブンスロットグリル。
ほった「ひっきょう、既存のジープっぽくなくってもいいっちゃいいんですよ。かつての『ワゴニア』や2代目『チェロキー』みたいに、強烈なオリジナリティーがあれば」
清水「アベンジャーは、ヨーロッパコンプレックスの塊だもんねぇ……」 -
19/20ほった「いかがです? ステランティス3兄弟を考察してみた感想は」
清水「いや、3台もいらないよね。個人的には『アルファ・ロメオ・ジュニア』だけで十分だよ」
ほった「まぁ、もとをたどれば同じクルマですからね」 -
20/20清水「これはなに?」
ほった「欧州のプレスサイトにありました。『アベンジャー4xe』の“デザインストーリー”だそうです」
清水「アイデアスケッチみたいなものかな?」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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